インタビュー

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vol.03:堺雅人さん

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台本を読んだ感想、意気込みをお聞かせください。

とてもスケールの大きな作品なので、頭であれこれ考えず 「 南極大陸 」 の世界にどっぷり浸かろうと、その方が楽しくやれるだろうと思いました。2年前に 『 官僚たちの夏 』 というドラマに出演させていただいた際に “戦後の日本” を味わわせていただいたのですが、もう一度その世界に参加できるという喜びもありました。『 官僚たちの夏 』 では出来なかったことが出来るんじゃないか、あの時に気づかなかった事に気づく事が出来るんじゃないかと、台本を読みながら考えました。

撮影も終盤ですが、今はどのような心境ですか?

あまり変わっていませんね。根室で1月半ほど撮影していたのですが、まだ根室気分が抜けきってないといいますか、東京で生活していてもボンヤリとしているところがあります。根室で3月11日を迎えたことも要因のひとつだと思うのですが、今生活している現実に現実感がないといいますか、何かが戻ってこないんです。それは、ひょっとしたらこの先も戻らないものかもしれませんが…。3月11日以降、根室に行く前と行った後では、僕自身の考え方も含めて世界が大きく変わってしまった気がします。

『 南極大陸 』 と 「 今の日本 」 に重なるところがあると?

重なる部分はいっぱいあると思います。だた、無理に重ねてしまうと怖い気がしていて…。
そもそも 『 南極大陸 』 は、3月11日よりも前に作られた企画ですから。戦後・焼け野原だらけの日本を復興に導き、命について考えさせられる作品なので、重なる部分は多いし “教訓” になると思います。けれど僕自身は 「 特別なことをやろう 」 と思うと大きく道を踏み間違える気がしたので、余りそのことを考えないようにしながら演じました。

演じられている氷室晴彦はどのような人物ですか?

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氷室は官僚ですから、倉持とは違った視点で日本を見ていると思います。倉持の持つ力強さ、リーダーシップ、彼の存在は戦後の日本を考えたときに、非常に象徴的な人物だと思うんです。けれど、倉持一人では表現しきれない戦後の日本があったとして、それを残り10人の越冬隊が表しているんじゃないかと。僕は倉持とは違った形の、氷室から見た “昭和の時代の魅力” を表現したいなと思いました。まだ答えは出ていないので試行錯誤が続いている状態ですが…。

服装も氷室だけは黒ずくめで独特ですよね。

衣裳合わせの際に、「 氷室は黒ずくめの格好でいこう 」 と福澤監督と話して決めました。
敗戦という事実は、官僚である氷室にとっては大きな出来事だったと思うんです。そこに救えなかった命があると考えたとき、氷室自身がニヒルというのではなく、心のほとんどの部分が “死” に向かって進んでいるというか、亡くなった大勢の方々への思いを引きずっているんじゃないかなと。復興に向けて 「 頑張るぞ!やるぞ!」 という気持ちになれていない。そのような人物が越冬隊の中に一人いてもいいんじゃないかと監督やプロデューサーのみなさんとお話ししました。今、気がついたのですが… 黒ずくめの服は、氷室にとって “喪服” なのかもしれないですね。戦争の弔いが終わってないのかもしれないなと。

越冬隊はどんなチームですか?

良い意味でバリエーションに富んでいてまとまりがある。素晴らしい俳優さんばかりですから、この一員に加われたことは、非常にありがたいことですね。

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北海道ロケはいかがでしたか?

根室に1月半滞在させていただいたのですが、長い合宿期間を経たことは大きな経験ですし、スケールの大きな物語に参加させていただいていると強く感じました。あとは、僕個人として撮影あった日となかった日を数えてみたら、ちょうど半分半分だったんです。その間、一度も東京へ戻らなかったので、ちょっとした冬休みをいただいたかのような、不思議な時間でした。

『 南極大陸 』 のテーマのひとつである、夢を追いかける男の姿についてどう感じますか?

戦後の日本を描いた作品には、当時の日本人が持っていた “生きる力” を感じます。生活をしていること自体に “熱” があるというか、それは時代の持っている “熱” なのかもしれませんが…。その “熱” を表現したいと思ってはいたのですが、演じているのが氷室ですからね (笑)。熱を直接的に表現することが難しいので、氷室なりの熱・熱さを表現できればと思いながら演じました。戦後の日本を思い馳せながら演じた数ヶ月間でした。

最後に、視聴者のみなさまへメッセージをお願いします。

どの世代の方の心にも響く、男臭くて、さまざまなテーマがあり、非常にスケールの大きな作品です。どうぞ最後まで楽しんでください。よろしくお願いします。


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