インタビュー

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vol.01:木村拓哉さん

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『 南極大陸 』 のオファーがきたときの印象は?

やるからには全力を尽くそうと思いました。台本を読ませていただいて、教科書に載っていない事実を改めて知り、“こんなにも凄かったのか!” と高揚しましたし、いい緊張感を味わいました。

スケールの大きな作品と言われていますが、それを感じる部分はありますか?

まずは、戦後の昭和を描いていることですね。撮影に時間がかかりますし、それを再現するセットや VFX など色々な点に関してスケールの大きさは感じます。それは今、それぞれの分野のスタッフがオンエアに向けて、全力でお茶の間のみなさんをタイムスリップ出来るように頑張って作り上げているので、楽しみにしていて欲しいなと。あとは、“南極” が舞台であること。長期に渡る北海道ロケにもスケールの大きさを感じました。

北海道ロケはいかがでしたか?

北海道ロケを経験して、行くところに行かなければ欲しい映像というのは撮れないんだなと思いました。それを求めて僕らは北海道へ行かせていただいたので、貴重な体験でした。
天候も味方してくれましたしね。スタッフが何台もの大型プロペラ送風機を持ってきていたのですが、それでは表現出来ないほどの吹雪が実際に起こって映像をより良くしてくれましたし、“雪が止んでほしい” と願っていたら、翌日には目を開けていられないほどの晴天になりました。晴天になった撮影は、柴田さん演じる白崎隊長が越冬隊員に向かってメッセージを贈るというシーンだったのですが、眩し過ぎて目をあけられなかったんです。両目でしっかりと隊長を見つめる芝居をしようと思っていたのですが、雪の反射でそうは演じられなかった。それって、実際にその場にいないと出来ない演技だし、気づかなかったことなんですよね。雪景色、青い空、犬たちが疾走する姿… 今思い出してもワクワクしますね。

男だらけの撮影はいかがでしたか?

撮影は撮影なのですが、共演者個人と接しているよりは “越冬隊員” と過ごしている時間が長かったように感じます。もちろん、休憩中もお互いに顔を合わせていますが、それぞれの “距離感” が、越冬隊員の役柄と同じ距離感に近いんですよ。ワイワイ騒いでいるメンバーもいれば、柴田さんが少し離れたところで白崎隊長のように本を読んでいたり…。それぞれがいい距離感で現場に居てくれたので、ただただ楽しかったですね。

南極観測船 「 宗谷 」 での撮影はいかがでしたか?

今はお台場にひっそりと停泊していますが “すごい船だったんだな” と、撮影でお邪魔する度に身が引き締まる思いでした。一隻の船にあれだけ沢山の人々が命を預けていたんだと思うと、当時の人々の決断がどれほど難しいものかと実感しましたし、とても大きな存在に感じました。今は展示物としての存在ですが、撮影を行う際には、自分たちの “命を預ける船” という気持ちで足を踏み入れていました。

今回、『 南極大陸 』 でチャレンジしたことはありますか?

この作品を作るということがチャレンジでした。『 南極大陸 』 という作品の山の頂上へ辿り着くまでには、乗り越えなければならない障害がたくさんありましたから。撮影が始まるまでは “どう表現すればいいのか” “無理じゃないか” と考えたし、勇気だけじゃ乗り越えられないなと。けれど、現場に入って、側にいてくれる共演者やスタッフたちとなら、“この山を登ることが出来る。頂上まで行くころが出来る” と感じました。共演者やスタッフたちとは “共演者” “スタッフ” という言葉では片付けられない関係性が生まれたと思っています。

撮影中、印象に残った出来事はありますか?

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すべてが大変だったので印象的なエピソードはたくさんあります (笑)
北海道では、ホットティーがあっという間にアイスティーになるようなところで撮影していましたし、東京に戻ってきてからは越冬服を着て40度近い中でロケを行っていましたから。ひとつひとつ言うとキリがないのですが、今振り返ると全部が微笑ましい出来事だったなと。けれどあえて言うなら、東京で桜が咲き始めている4月頃、僕らはまだ北海道で撮影していたんです。昭和基地のシーンを撮っていたのですが、徐々に雪が足りなくなってしまったんです。背景は CG で何とかなるかもしれないけれど、実際に動き回る場所にも雪がない状態。そんな状況を覚った地元の方々がダンプカーを32台使って、片道1時間半かけて雪を運んできてくれたんです。“とにかく雪を絶やすな” と、1日に3往復も4往復してくれました。そういう人々の協力があったからこそ最後まで撮影することが出来たと思っていますし、印象的な出来事のひとつですね。

犬たちとの共演で印象に残ったことはありますか?

現場に犬たちが居てくれたことは癒しにもなりましたし、みんなの力になったと思います。撮影は犬たちとのシーンをたっぷり撮った後に、最後の辛い決断を強いられるシーンを撮影したのですが、犬たちとの日々があったからこその感情が生まれましたし、越冬隊員全員がきちんと犬たちとの日々を思い出しながら演じることが出来たなと。本番が終わった後、感情をコントロールできなくて、香川さんと2人で震えながら泣いたのを覚えています。

最後に、視聴者のみなさまへメッセージをお願いします。

10月16日よる9時。日曜劇場という扉が開き、『 南極大陸 』 をみなさまの手元へ届けることができることをうれしく思います。一歩一歩積み重ねてきた結果を見ていただけると考えただけでドキドキしています。ご覧いただいて、何かを感じて欲しいとか、何かを行動して欲しいとか、そういうことではありません。ただ、この作品が何かしらの力になれたらと、人生を歩んでいく中でプラスに働く部分があればと願っています。僕自身、この作品に参加させていただいて、戦争と復興を経験し、激動の昭和を生き抜いてこられた方々を無条件に尊敬しますし、今の子供たちには 「 夢 」 を持つきっかけを与えられたらと感じました。『 南極大陸 』 を是非、ご覧ください。


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