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ニッポン県民性発表SP

HPアンケート結果報告

第五回HPアンケート結果報告

「和歌山電鐡」で知る!和歌山の県民性

県民性研究の大家であり、番組監修にも携わって頂いている、矢野新一先生(株式会社ナンバーワン戦略研究所・所長)に、「和歌山電鐡」から見た、和歌山県の県民性を伺いました。

たま駅長

「いちご電車」といい、「たま駅長」といい、まさにこれは紀州商人の発想です。紀州商人と言えば、江戸・元禄期の豪商、紀伊国屋文左衛門(1669年?~1734年)をご存じですよね。温暖な気候・風土に恵まれた和歌山は、山を耕した段々畑が柑橘栽培に向いていたことから、日本有数のみかん産地として、昔から知られていました。採れたみかんは船で各地に運んでいたんです。ところがある時、嵐で航路が途絶えてしまい、みかんを運べなくなりました。地元ではみかんが大量に余り、値段が下がっていきましたが、文左衛門は江戸で値上がりしていることを知り、荒れる海を決死の覚悟で運んだのです。これにより、大きな利益を得た文左衛門は、江戸で材木問屋を営み幕府御用達商人となりました。

おもちゃ電車

紀伊半島を取り巻く太平洋は果てしなくひろがり、海の向こうには何も見せません。要するに、無限の可能性が目の前にひろがっているんです。これが文左衛門や和歌山電鐡のように、大胆で、柔軟な発想を生む県民性を培ったんでしょうね。電車は人を運ぶもの、という発想から脱却して、楽しい時間を過ごしてもらう場所に変えてしまった。そして、「いちご電車」が成功したことで、「おもちゃ電車」を作った。次々とアイデアが出てきて良い方向に向かう好例です。こんなところも文左衛門の商売にそっくりですね。

いちご電車

「いちご電車」の走る貴志川線沿線は、和歌山のベッドタウンですから、30代・40代の若い人が多いはずです。中でも若い女性の力が「イチゴ電車」に向かったのではないでしょうか。和歌山県は、大部分が山岳におおわれていて、平野は海岸沿いの狭い部分にしかありません。そのため林業と並んで、漁業は昔から大切な産業でした。カツオやマグロなどを獲りに遠洋漁業へ出る人も多く、男性不在の家を女性が守って来たと言う歴史があります。だから和歌山の女性はしっかりもので、男まさりだったんですが、この反動で、現在は「いちご電車」や「たま駅長」のような可愛いもの好きに転じたのかもしれません。(矢野先生談)

たま駅長

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