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ほのか |
「ゆらちゃん、初めての大会は楽しめた?」 |
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ゆら |
「え……それはその……すごく怖かったし……」 |
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八千代 |
「すごく怖い? それって最高じゃん?」 |
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ゆら |
「え?」 |
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ほのか |
「サバゲーは本当の戦争とは全然違うものだし、純粋に勝ち負けを争うスポーツともちょっとだけ違うの。さっきそのちゃんのいいたかったことはきっとそういうこと」 |
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ゆら |
「サバゲーっていったい……」 |
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そのら |
「まー、そのうち教えるよ。いや、解るときが来る」 |
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れんと |
「そのちゃん先輩っ♪」 |
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八千代 |
「そんなわけで第3回目じゃんね?」 |
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ほのか |
「『よいこのためのサバゲー講座 第3回:定例会に行こう♪』、始めるわよ」 |
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ゆら |
「はいっ」 |
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ほのか |
「サバゲーはBB弾を撃ち合う遊びだから、そのへんの公園とかじゃやっちゃダメ。それはわかるわよね?」 |
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ゆら |
「関係ない人に当たったら大変ですもんね!」 |
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ほのか |
だから、専用の『サバゲーフィールド』があちこちに作られて、みんなそこで遊ぶことにしたの。迷惑にならないし、しかもサバゲー仲間が集まってくるしね」 |
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ゆら |
「いいことですねっ」 |
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ほのか |
「で、そのサバゲーフィールドでは誰でも参加できる『定例会』っていうのが開催されてるの」 |
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ゆら |
「ていれい、かい……?」 |
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れんと |
「毎月この日みたいな感じで、決まった日に定期開催するので『定例会』です」 |
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八千代 |
「モチロン初心者おひとり様でも大歓迎っ」 |
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カリラ |
「もう、あっちこっちからいろんな人くるんだぜ。300人とかな」 |
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ゆら |
「そんなにっ!?」 |
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そのら |
「そーだゆら、1度ひとりで定例に行ってみたらどうだ?」 |
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ゆら |
「ひとりでっ!? でもわたし……」 |
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ほのか |
「心配しないの。怖くないから」 |
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そのら |
「ああ。サバゲーは戦争じゃあない。みんなで戦いに行ってひとりで帰ってくるのが戦争なら、ひとりで戦いに出かけて仲間をみつけて帰ってくるのがサバゲーだ」 |
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ゆら |
「ほー」 |
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八千代 |
「さーすが部長っ。いいコト言うじゃんね!」 |
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ほのか |
「まず、いちばん基本を教えるわね」 |
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ゆら |
「基本ですね」 |
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ほのか |
「絶対にケガしない。ケガさせない」 |
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ゆら |
「ケガしないケガさせない……と(メモメモ)」 |
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ほのか |
「フィールドからセーフティーゾーンに戻ったら、エアガンは実銃と同じだと思うこと。出入口で必ずマガジンを外してから地面に向けて空撃ち、BB弾が残ってないのを確認して、安全装置をかけてから戻る! セーフティーゾーンでは冗談でも人に銃口を向けたりしない!」 |
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そのら |
「ああ。それができないヤツはもう、サバゲーをやる資格がない」 |
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ゆら |
「き、きびしいんですね……」 |
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カリラ |
「たったひとりのたった1回の事故で全部が壊れちゃう世界だからな。気ぃつけろよ〜ゆら?」 |
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れんと |
「ん? でもカリちゃん先輩、先々週のランボー戦の後、セーフティーかけ忘れてませんでした?」 |
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カリラ |
「げげ!」 |
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ほのか |
「もーっ(激おこ)……でもカリラだから仕方ないか。カリラだし」 |
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カリラ |
「ちょ……おいっ! おいおいおいっ!」 |
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れんと |
「ゆらちゃんは気をつけてね?」 |
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ゆら |
「了解ですっ!(敬礼)」 |
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そのら |
「運営さんやベテランゲーマーが注意してくれることもあるしな。逆にゆらが気づいたら教えてやるといい」 |
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ゆら |
「わたし? 初心者なのに?」 |
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そのら |
「言ったろ? サバゲーは戦争じゃないって。だから司令官もいないし命令もない。ベテランも初心者も関係ない。みんな同じ仲間だからな」 |
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ほのか |
「そう。だから、もしも何か解らないことがあったらベテランっぽい人になんでも質問したらいいの」 |
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ゆら |
「全然知らない人に、ですか?」 |
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カリラ |
「よーっぽど運が悪くなきゃ、そのベテランは優しく親切に面倒見てくれるはずだぜ」 |
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ほのか |
「カリラみたいなのに当たらなければねぇー」 |
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カリラ |
「まーだ引っ張るかっ!」 |
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ほのか |
「いい人じゃなきゃ戦争『ごっこ』なんてできないの。それがサバゲー」 |
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カリラ |
「オレはいい人じゃないのかよっ!?」 |
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そのら |
「ゆら、覚えておけ。フィールドでは戦士たれ。だが、セーフティーゾーンでは紳士たれ」 |
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ゆら |
「はいっ!(でも何で淑女じゃなくて紳士なんだろ……)」 |
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八千代 |
「お。今日2度目の名言じゃんね!」 |
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ほのか |
「きれいにまとまったわね。じゃ、今日はここまで」 |
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れんと |
「次回もお楽しみにですっ」 |