モザンビーク日記 (2002年4月13日〜19日)


オペレーション関連:
我がチームは今もモンテプエズ地区で作業中だ。タスク名は「ナリト」、ナリトとはTBSチームの派遣されているモザンビーク北部の地名だ。前回の週報を書いて以来、さしたる事件は起きていない。ここのチームは今も探知機と掘削法を併用した複合地雷除去法を用いている。ペースは遅いが最も安全性の高い方法だ。ここの地中に錆びた缶や鍋や釘などの金属が大量に含まれているため、複合除去法を用いているが、深さ20センチのところまで土を掘って全ての金属片を取り除かねばならないので、作業はかなり困難だ。使い易さの点では探知機が上だが、今回のような場合は複合除去法を使わざるを得ない。


生活全般について:
私、オラシオ・ニケーアは40歳、結婚して5人の子供がいる。宗教はイスラム教だ。特に政党に属していないが、現在政権を握っているフレリモという政党を応援している。

私は2001年3月にHALOに入った。地雷除去員希望で応募したが、地雷除去の課程を三度受けても採用されなかった。その時、たまたま空いていたコックの仕事をしないかと持ちかけられたので、仕方なくこれに同意した。

コックの仕事はとても大変なので、今でも地雷除去員になりたいと切に思っている。みんなの朝食を用意するために早起きしなければならないし、朝食を食べさせた後は皿洗いが待っている。それが済むと今度は昼食の用意に取りかからねばならない。15〜20人分の食事を作るのは一苦労だ。昼食を作って地雷原から帰ってきた除去員一人一人に食事を与え、食べ終わったらまた皿洗い、その後、今度は夕食作りに取りかかる。最近、炊事場の炎のせいで目がおかしくなってきたようだ。

地雷除去員になりたい理由の一つは、コックより給料が高いからだ。それに地雷除去員の方が村を散歩したりする時間があるような気がする。

言い忘れたが、各チームにはコックの補佐的役割をする「ミニ・コック」と呼ばれる人間がいる。だが、それでも仕事は山ほどある。私はいつか地雷除去員になれるチャンスを心待ちにしているが、残念ながらこれから皿洗いをしなければならない!


チーム・ナンバー:16
オラシオ・ニケーア(コック)






Copyright(C) 1995-2025, Tokyo Broadcasting System Television, Inc. All Rights Reserved.
TBSトップページサイトマップ