モザンビーク日記 (2002年3月24日〜30日)


オペレーションについて:
私のチームは依然としてモンテプエズ地区で作業をすすめている。タスク名は「ナイロト」。ナイロトとはTBSのチームが派遣されているモザンビーク北部の州の名前だ。前回の日記の内容に関連した出来事は特にないが、チームは今も、ある地雷列の存在の有無を確認しようとしている。ここの土から様々な種類の金属反応が大量に検出されたため、作業は困難を極めている。

この地雷原はもともとは村に隣接する兵舎のあった場所だ。地中にさびた缶や銃弾のような鉄屑が大量に埋まっているので、探知機と掘削法を併用したいわゆる複合除去法を中断し、スピードは遅いが安全性の高い掘削法のみで除去を行うことにした。掘削法とは、地面を深さ20センチまで掘ってそこにある金属片を全て取り除くという、非常にやっかいな作業だ。この方法を使うと体が汚れて疲労も激しい。探知機を使いたい気持ちはやまやまだが、探知機だと効果が出ない時がある。


生活全般について:
私は27歳、イスラム教徒の信者だ。結婚はまだしておらず、カボ・デルガドのインゴナニ村で父母と一緒に暮らしている。1999年に学業を終えて、その後、基礎的な金融行政を勉強したが、残念ながらこの分野で仕事を見つけることができなかった。モザンビークで職を探すのは本当に大変で、せっかく教育を受けても、能力に見合う仕事につけない場合が多い。

私がHALOに入ろうと思ったのは、衛星スタッフと地雷除去員の仕事の口があったからだ。学校で医学を勉強したことのある私は、衛星スタッフの仕事を希望していたのだが、そちらはすでに定員に達していると言われた。是非とも地雷除去員と衛星スタッフの訓練を受けたかったのだが、ついてなかったようだ。

だが、いったんHALOに入ってしまうと、色々な物を買えるようになり、両親を食べさせられるようになったので、うれしい。地雷除去活動も楽しい。ここでの主な問題は雨だが、最近は雨もほとんど降らず、降ったとしても作業の終わる午後に降ることが多い(これは良いことだが、土が固くなりすぎる時があるので良くない場合もある)。

将来、貯金がたまったらペンバのあたりに広い土地を買って、結婚する計画しようと思う。結婚相手は決まっている。相手は綺麗な娘だが、ペンバにはもっと綺麗な娘もいる。

週末は、たいていは音楽を聴いたり、キャンプ地でトランプをしたりして過ごす。ナリトはとても小さな村なので、やることがあまりないのだ。


チーム・ナンバー:10
ルイス・ユージェニオ・リピア






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