グルジア日記 (2002年 7月 15日〜19日)


牛が地雷原の近くまで来ている。私たちは事故が起きないように牛を追い払おうとしたが、あいにく牛は乳搾りより地雷除去に興味があったと見える。クラッシャーの音にも全く恐れをなさない。牛に交響曲を聞かせると乳の出が良くなると何かで読んだことがあるが、ここの牛たちは「労働の音楽」の方が好みのようだ。

静寂、誕生日、新しいオモチャ、初めての本、人間の本質に関する思索、愛、結婚(もしくは数回の結婚もしくは独身生活)、子供(もしくは複数の子供、もしくは子供のいない生活かネコ)、仕事(もしくは遺産相続)、病気(もしくはスポーツ)、人生の一瞬一秒を堪能し、手遅れになり、また静寂に戻る・・・。そしてできれば次の人生(こいつはもっとエキサイティング!)には牛か犬か鳥として生まれ変わろう(どれにするかはまだ決めていない)。

つまりだ。牛が地雷原に入ってきたら放っておくべきではないということだ。それだけははっきりしている。


ピーター・ショーシャ
クラッシャー・フィールド・オフィサー






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