グルジア日記 (2002年 5月 24日〜31日)


彼はポケットから新しい電池を取り出し、ほとんど平らになりかけた古い電池と交換した。そして巨大な地雷バキューム・クリーナーのスイッチをつけ、15分以内でその地雷原にある地雷を全て除去した。

上に述べたのは、私がいつか実現化して欲しいと思っている夢に過ぎない。将来、戦争や地雷に対する人々の意識が変わったとしても、現存する地雷は次世代に持ち越されるほど数が多い。ノーベル賞を目指す未来の人々が地雷に対処するためにどんな発明をするのか、ぜひ見てみたいものだ。現在、地雷除去に使われる特殊な機械には地雷探知機や除去用に改良されたトラクターや岩石粉砕機などがある。

だがこの他にも、特に夏になると、全ての地雷除去員の間で持ち上がる話題がある。私たちは暑い日ざしを避けるため、早朝に起きる(普通の人はまだ最後の夢を見ている時間だ)。夏の日差しの下、気温40度の中でひざまずいて働くのはかなり重労働だ。

一ヶ月ほど前、ここの地雷除去員全員で新たな日差し対策について話し合ったが、傘をさす以外の方法は思いつかなかった。もちろん日傘は我々が本当に必要としているものとは程遠いが、将来の新しい発明のベースとなるかもしれない。たしかに片手に傘、片手に探知機を持った地雷除去員はちょっとイメージしにくい・・・だが、これは決して笑い事ではないの。心臓に障害のある地雷除去員は、たとえ早朝に仕事を開始しても健康に不調をきたすことがあるからだ。


ピーター・ショーシャ
クラッシャー・フィールド・オフィサー






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