グルジア日記 (2002年 3月 25日〜29日)


ようやく二週間にわたるEOD(爆発物処理)の課程も終わり、試験期間に入った。どのフィールド・オフィサーも30〜35歳であるにも関わらず、試験前の中高生のようにソワソワしている。みんな4〜5年の実地経験があり仕事はお手のものだ。しかし、うちのインストラクターは口癖のように「不発弾について知り尽くしていると思っている奴に限って、実は何も知らない」と言っている。私たちもこれは真実だと思う。

この二週間で、不発弾に関する新たな知識をたくさん身につけることができた。

情勢はまだまだ不安定だ。先週、ガリ地区でロシア人のピースキーパー4人が誘拐された。私たちは解放の一部始終をテレビで見たが、どうしても納得行かないのは、あれほど簡単に誘拐されるようで果たして他人を守れるのか、といことだ。訓練されていない民間人が誘拐されるのならまだ分かる。私はこのことについて考え、自分なりの結論に達した。つまりこういうことだ。ピースキーパーの中には頭にバンダナをしている人もいた。ひょっとして誘拐犯は彼らを女性と思いこみ、三つ編みされた髪を盗もうとしたのではないか?(これはコーカサス地方の古い習慣だ)。そうに違いない!そして彼らが男であることに気づいた誘拐犯はとたんに興味を失ったのだ。


アリ・マクマチャノフ
クラッシャー・フィールド・オフィサー






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