グルジア日記 (2002年1月 28日〜2月3日)


 1月28日、月曜日は作業にはもってこいの天気だった。地雷埋設箇所の土もよく乾燥していた。こんな土で作業するのは楽しいものだ。

 火曜は勤務の途中でTEREXのタイヤがパンクしたので、作業を一時中断せざるを得なかった。だがエンジニアがすぐに問題を解決してくれた。彼は本部の仕事場に詰めているが、テクニカルなトラブルが発生した時のために、機械チームの作業している地雷原によく出向いてくる。問題がその場で解決されない場合は、機械を仕事場に運んで修理する。

 私たちの作業場からさほど遠くないところに、グミスタ川にかかる橋がある。橋の上と橋の周囲で起きていることは全部作業場から見える。
 水曜の朝早く、小型トラックが橋の上で停車し、運転手が車から降りて川を見下ろしていた。その後しばらくして、トラックは川辺に降りて水に入っていったが、川の真中に来たところで急に沈み始めた。運転手はトラックから出て大声で助けを呼んだ。それは実に見事な絶叫で、有名なロックミュージシャンもうらやむほどだった。後で知ったことだが、彼は洪水で川下に流れた木切れを集めに、川の真中にある島に渡ろうとしたらしい。
 私は「ぜひ声を録音してレコード会社に送るべきだ」と彼にすすめたが、本人はジョークとしか受け取らなかった。本当に彼に才能があると思って言ったのだが。

 あの島にはもう一つ逸話がある。野鳥がたくさん来る島なので、いつも大勢の猟師がやって来て戦場さながらに銃声を響かせているが、その猟師の一人がこの近くに住んでいる。最近カモを一羽仕留めた彼は、その後3日ほどそのカモをぶら下げて歩き回り、「自分は毎日カモを仕留めている」と自慢していた。

 今週、うちのチームは地雷一個とPG-7兵器一個を発見した。


アリ・マクマチャノフ
クラッシャー・フィールド・オフィサー






Copyright(C) 1995-2025, Tokyo Broadcasting System Television, Inc. All Rights Reserved.
TBSトップページサイトマップ