前にも述べたように、クラッシャーには大型の地雷や不発弾を探知するための特殊な探知機がついている。例えば、対人地雷はクラッシャーの中を通るが、対戦車地雷は通らない。クラッシャーが対戦車地雷を探知するとインパルスを発し、土を盛るベルトが自動的に停止する。この種の地雷は、クラッシャーの側に掘った特殊な穴の中で爆破して処理する。一方、対人地雷や不発弾はクラッシャーを使って破壊する。
クラッシャーは通常、地雷を小さく砕いてから起爆させる。しかし火曜は、クラッシャーの中で地雷が爆破してしまった。我々は規則に従いただちにクラッシャーを停止し、蓋を開けて中を調べたが、内部に傷はなかった。こういうことが起きると言われてはいたが、実際にこの目で確かめたかった。その後、残った土の中から地雷の破片を拾い出してコレクションに加えた(私は爆発した弾や地雷、手榴弾、カートリッジなどの破片を集めている)。
将来、私は自分のコレクションを学校の博物館に寄贈したいと思っている。仲間の地雷除去員はこのアイデアに意気投合し、他の地雷原から色々な物を持ち寄ってきた。しかし、私のコレクションはクラッシャーを通した土から取った物だけにしているので、断らざるを得なかった。
木曜は午前中に雨が降ったので、全ての作業を中止してクラッシャーの整備を行った。整備中にズクヤ・キルビーが足の指を打った。打撲部分が腫れたので、私は念のため彼を病院に連れて行った。幸いヒビも入っていなかったが、何日間かの休暇を与えた。
キルビーは経験豊かな地雷除去員だが、なかなかクラッシャーの技術に慣れず、これまでも何度か打撲をしている。クラッシャーのオペレーターがいない間は、キルビーが代わりをつとめることができるし、彼は私のもとで訓練を受けているので、ドライバー・オペレーターの代わりをつとめることもできる。上手く仕事をこなしてくれるが、クラッシャーが2キロの探知機より重いことをどうしても理解できないようだ。
アリ・マクマチャノフ
クラッシャー・フィールド・オフィサー
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