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ここグルジアにいるメンバーにとって今週はあまり良い週ではなかった。99年の夏からコーカサス地方で繰り広げられていた戦争はついにアブカジアに広がり、今週に入ってずっと丘の方で戦闘が続いている。
また今週は特にオカムシレ地域で多くの軍事行動が見られた。ニュースでは徒党を組んだチェチェンの銃撃者が往行しているという話題でいっぱいだったが、そのような連中は誰も見ていない。多くのアブカジア人は戦闘に加わるように呼びかけられたようだが、私は放って置かれたようだ。私の知り合いで銃撃者を見た人はいないし、負傷した人もいない。
不運にも私達の作業エリアの近くで戦闘があったという報告があったので、その週にかけて除去作業は行なわれなかった。しかし私達はその間、機械の整備を済ませることができたので、これはまんざら悪いことでもなかった。これで戦闘が終わり次第、ただちに仕事に復帰できるはずだ。
粉砕機はリモコン操作になっているので、私達は100メートル離れた安全な場所から機械を動かしたり止めたりすることができる。フィード・ベルト上に爆発物がある場合、これは有効な手段だ。中型ホイールローダが爆発物を含む土を粉砕機に乗せると、まずこの土はコンベヤベルトで金属探知ブレーキの真下に運ばれる。土の中に金属片があれば動いているベルトが止まる仕組みになっている。
爆発すると大変な被害を及ぼすロケット・ランチャーの存在も心配だが、鉄筋などが機械に巻き込まれてもダメージになるのでこういったものも避ける必要がある。ベルトに危険物が乗った場合、私たちはベルトを逆向きに動かして穴に落としてしまう。こうすれば機械を傷めずに爆発物を破壊することができる。機械とリモコン端末をつなげるケーブルが壊れたので新しいものを送ってもらうことになったが、それがちょうど仕事に復帰する今日届く。これまで仕事ができなかったのも不幸中の幸いかもしれない。
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