HALO Trust アブハジア スクミ (2001年10月10日)


私はアリ・マクマチャノフ、粉砕機セクション機械チームのフィールド・オフィサーとして1998年以来HALOで働いている。HALOチェチェンには2年以上勤め、チェチェンで戦争が始まった後は2000年5月にアブカジアに移った。以来、アブハジアのHALOで働いている。ここでの仕事は楽しいし、祖国チェチェンと同じくらいここアブカジアが好きだ。どちらの国も同じ問題を抱えている。その一つが「地雷」だ。

最近結成された私のチームは経験豊富な地雷除去員で構成されている。まずは粉砕機オペレーターのピーター・ショウア、オペレーター・アシスタントのキルビー・ツクア、それから地雷除去員兼運転手を務めるノダール・マトゥア。どのメンバーも地雷除去の腕は評価が高く、作業期間中に地雷をそれぞれ25〜50個ずつ発見している。ノダール・マトゥアはPMNとPMN2と呼ばれる対人地雷を55個も発見し、破壊した。ノダールは自分が発見した一個一個の地雷が救われた人命を表すと思っているので、とても誇らしげだ。ピーター・ショウアはハイクテ専門家だ。ピーターの意見では、粉砕機は石を砕くのに最適だが地雷を破壊する理想的な機械でもあるそうだ。

ついいこの間、私のチームは120ミリ迫撃砲を発見した。もう誰もこの迫撃砲で傷つくことがないので、これは大変な快挙だ!私達は、自分たちが地球に拡がりつつある悪と戦う戦士なのだと思っている。

先週月曜の午前9時に恐ろしい事件が起きた。私はチームを地雷原に連れて行き作業を与えた後、トビリシから到着することになっていた上司のチャーリー・マーテルを迎えに飛行場に向かった。8時半に飛行場に到着すると、ちょうど同じ頃に国連グルジア監視団(UNOMIG)の車が何台か現れた。中から職員の人たちが降りてきて、私達は挨拶を交わし、そのうちの一人が、私の上司の乗ったヘリコプターが20分後に着くはずだ、と言った。職員たちはカバンの中から衛星電話を出してチューニングと無線チェックをした後、ヘリコプターに乗って飛んで行った。15分後に私の上司が到着して、私達は一緒に事務所に戻った。それからしばらくして、このヘリコプターが撃ち落されたと聞いた。彼らの最後の時間を一緒に過ごした私にとって、この出来事は本当に辛いものだった。


アリ・マクマチャノフ
フィールド・オフィサー






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