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●2001年 3月13日
地雷博物館が強制閉鎖 〜地雷の知識 (1)〜
カンボジア北部にある民間の地雷博物館が、軍警察によって強制的に閉鎖させられたと
いう記事が、ロイター通信の外信電文にありました。実は今年の1月に、番組ディレクター
がこの地雷博物館を取材していて、今はもう見ることのできない展示物を撮影していま
した。
強制閉鎖の背景になにがあるのがわかりませんが、貴重な資料が一般に見られな
くなったのは残念なことです。
3月7日プノンペン(ロイタ―)
人気地雷博物館、カンボジア軍によって閉鎖
「カンボジア北部の町、シェム・リアップの軍警察は、自分達が運営すべきだとい
う理由で、元兵士の運営する地雷博物館を閉鎖した。」と地元の新聞は水曜日に報じ
た。有名なアンコール・ワット寺院に向かう途中にあるこの博物館では、様々な種類
の地雷と爆薬が、その埋設法と除去法の説明とともに展示してある。
カンボジアは世界で最も多くの地雷が埋めてある場所の一つだ。国民の250人に1人、
つまり4万人が地雷で手足をなくしているが、この数値は世界でも最も高い比率
である。この博物館は28歳の元兵士アキ・ラが1年前に開いた。ラ氏はそれ以来、
博物館を開設し続けるために地元の役人相手に戦っている。
州の軍指揮官モルン・サモンは、次のようにCambodia Daily Newspaper に語った。
「王立カンボジア軍の将校でもない限り、いかなる武器博物館を運営してはならな
い。我々が博物館を開けば、戦時中から残っているあらゆる武器を展示したもっと大規模なものにするだろう。シェム・リアップは戦場だったので戦時中の物が数多く残ってい
る。それを展示すればいい。」
アキ・ラ氏は兵士時代、クメール・ルージュやベトナムをバックにした政府軍に従軍
していた。同氏は近くのホテルやレストランから支援を得て、博物館の運営権を取り
戻すつもりだと新聞に語った。
【地雷の知識1】
対人地雷の火薬の威力は、成人男子の手足を吹き飛ばす程度に抑えられています。
殺すよりも負傷させた方が、兵士の救助から生活保証までの人的・経済的負担が大きく、長期的に敵を消耗させるからです。以下にその対人地雷の種類を紹介します。
<起爆方式別>
・圧力式
多くはこの方式で、踏むなどして上から圧力がかかると起爆する。5〜10cmの深さに埋められ、500g〜10kgの圧力がかかると作動する。圧力が解除されると起爆する圧力解除式もある。
・張力式
信管(発火装置)から伸びたワイヤーが樹木や他の地雷に繋がっていて、人がつまずきワイヤーが引っ張られると、ピンが抜かれ起爆する。
<作動方式別>
・爆風地雷
爆風の威力で被害をもたらす方式で最も一般的。近代の爆風地雷はプラスチック製で金属部分が少ないため、探知には大変な危険、手間、時間を要する。
- 被害の特徴 -
被害者の足の下部が爆風で吹き飛ばされ、むこうずねの一部が切断箇所から飛び出し、残った筋肉はつぶれて押し上げられ、カリフラワー状になる。また爆風により、石、草、服などの破片が、体内深く入り込む。
・破片式地雷
爆発の瞬間に外側の金属ケースが細かく分断され、あるいは内蔵された金属片や金属ボールが、弾丸の2倍の速度で飛び散り、半径10〜50m内の広い範囲で被害を与える。
- 被害の特徴 -
損傷は体全体に及び、数メートル以下で爆発した場合は、火薬の多い大型の爆風地雷と同程度の負傷を負う。直接接触して起爆した場合はほぼ即死となる。
参考文献:地雷問題ハンドブック 自由国民社
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