美肌LESSON

Vol.4
美肌のために『酸化ストレス』に打ち勝つ!

アンチエイジングだけでなく美肌維持にとって忘れてはいけないのは、老化の2大要因とも言われる『酸化(さんか)』と『糖化(とうか)』と呼ばれる現象です。今回は、美肌のために酸化ストレスから肌を守る方法についてお話します。

私たちは地球上で「太陽の光を浴びながら」、「呼吸をして」生きています。しかし皮肉なことに、この私たちにとってなくてはならない光や空気が、細胞を老化させる活性酸素といった物質を体内では時として過剰に作り出してしまいます。活性酸素はDNAやタンパク質、そしてコラーゲンなどを『酸化』することで質を悪くし、皮膚ではコラーゲン量の減少によるシワやたるみ、シミなどの老化現象を引き起こします。肌をハリのある、シミのない美しい状態に維持するためには、いかにこの酸化というストレスから皮膚を守るかが大切です。

私たちが呼吸をすることで消費する酸素のうち、およそ2%が体内で活性酸素に変化しているとも言われています。ある程度は体の働きに大切な役割も果たしていますが、活性酸素が過剰に発生するとあらゆる細胞にダメージが加えてしまいます。そのため、私たちの体にはこの過剰な活性酸素を除去するメカニズムが備わっています。酸化ストレスから皮膚を守り美肌を保つには、『皮膚の活性酸素を増やしすぎない』、『活性酸素を除去する抗酸化作用のある物質を多く取り入れる』この2つが大切です。

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皮膚の活性酸素を増やす要因と対策

紫外線
表皮や真皮(コラーゲン層)で活性酸素を発生させます。表皮では活性酸素を除去するメカニズムが発達していますが、それに比べると真皮ではあまり発達していません。そのため紫外線の長年の蓄積は、真皮コラーゲン層のダメージをより引き起こしやすく、シワやたるみを早期に出現させてしまいます。紫外線対策を夏に限らず、一年通して行うことが大切です。
皮膚の炎症
湿疹やニキビなどの炎症がある部位では活性酸素の量が増加しています。慢性化しているようであれば、早めに治療しましょう。
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発生した活性酸素を除去する抗酸化物質を取り入れる

抗酸化ビタミン
ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE
ファイトケミカル
野菜や果物などから発見された抗酸化物質のことで、近年では様々なものが多数報告されている。お茶などに含まれるカテキンや、赤ワインやブルーベリーなどに含まれるのアントシアニンやレスベラトロールなどのポリフェノール。そして、緑黄色野菜に多いβカロテンや、トマトなどに含まれるリコペンなどのカロテノイドが代表的なファイトケミカル。
水素
近年注目されている強力な抗酸化物質。水素ガスの吸入や水素水、水素サプリ、水素入浴剤、水素発生クリームなど様々な方法で体内に取り入れることができ、体内での拡散性も優れる。

肌を酸化ストレスから守ることを意識して生活を見直すことで、美肌を維持する大きなサポートとなります。

医療監修・橋本 聡
東京・広尾の美容皮膚科『スキンリファインクリニック広尾』院長。
専門は美容皮膚科、皮膚科、美容外科。日本美容外科学会認定、美容外科専門医。
日本医科大学卒業後、日本医科大学形成外科助教を経て、平成26年にスキンリファインクリニック広尾を開業。

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