美肌LESSON

Vol.3
美肌のための『安全なセルフ美容マッサージ』

美容皮膚科医の立場から言えば、美肌を維持するためには、なるべく皮膚に「刺激」が加わらないように日頃から注意することが大切です。誤った方法のスキンケアを継続していると、余分な摩擦の刺激や強い圧力などの影響が日々蓄積され、シミやくすみ、そして場合よっては小じわやたるみの原因となることもあります。 各種雑誌やネット上などでは、様々な顔の美容マッサージ法などが紹介されていて、いざ「今日から自分で始めてみよう!」と決意したとしても、どの方法を実践するのが良いのか迷ってしまいます。

美容皮膚科的には以下の2つの要素が加わる美容マッサージ法はNGです。

お顔を強く擦るようなもの(摩擦の刺激)
非常に強い力で皮膚を押しつけるようなもの(強い圧迫刺激)

フェイシャルエステや美容専門のマッサージの専門家の中でも高度な技術を持つ方は、様々なテクニックを駆使して皮膚への負担を軽減しながら上手にマッサージを行い、リンパを流す方もいらっしゃいます。しかし、この技術を素人の我々が自らのマッサージで日々正確に再現するのはなかなか難しいものです。結果的に皮膚への負担が蓄積され、様々なトラブルを引きおこしかねません。

そこで、今回は「美容皮膚科医が勧める、最も安全な2つの美肌のツボ」をご紹介します。誤ったマッサージとなってしまい皮膚への悪影響とならないように、お顔正面の皮膚を直接触れないツボだという点がポイントです。


(写真)

翳風(えいふう)
耳たぶの後ろ側にある、指先で触ると窪んでいて、押すと沈んでいく場所です。

聴会(ちょうえ)
耳たぶの前側に口を開けると窪んでくる場所です。

耳たぶの前後ですから覚えやすいですね。この2つのツボを指の腹で息を吐きながら5秒程ゆっくり押し、ゆっくりと緩める。これを5回繰り返します。強すぎる必要はなく、わずかに「痛キモチイイ」ぐらいが理想です。顔のリンパの流れが改善してむくみが解消し、美肌維持にとって重要な皮膚の血液循環がよくなります。寝る前や入浴中、顔のむくみが気になる寝起きなどがおすすめです。

医療監修・橋本 聡
東京・広尾の美容皮膚科『スキンリファインクリニック広尾』院長。
専門は美容皮膚科、皮膚科、美容外科。日本美容外科学会認定、美容外科専門医。
日本医科大学卒業後、日本医科大学形成外科助教を経て、平成26年にスキンリファインクリニック広尾を開業。

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