誰も見たことがない、昭和のテレビ制作現場の熱気、覇気、エネルギー!
テレビが若々しかったころの写真は珍しく!たのしく!おもしろい!のです。
長年かけて発掘してきた「テレビの未公開記録写真」を初めて写真展にいたしました!!
入場は無料です。(尚、3月中の休館日は3/27(木)・3/30(日)です。最新の休館日は開催概要をご確認ください)
ユニークで特徴ある写真展です。
テレビ通の方も見たことがない写真ばかりだと思います。
どんな特徴があるのか、4つのポイントをご説明いたします。
❶これまで誰もみたことがないユニークな写真たち
写真の主役はスタアではありません。テレビのセットです。
高いところにあるマイクや照明もしっかり写真に入っています。カメラマンもスタッフも映っています。
なぜかと言うと、これはTBSテレビの美術部が記録用に残してきた写真なのです。昭和32年からTBS美術部が撮りだめてきた写真は何と25万枚ありました!
それを一枚一枚確認し、整理し、デジタルに保存しなおす作業に25年かかりました。
ほぼデジタル化が完了したのを期に、TBSヴィンテージクラシックスはそのなかから魅力ある写真を50点選び、みなさまに見ていただく写真展を企画いたしました。
❷テレビをつくっていた人たちの知られざる姿
ミニチュアセットをつくっています。こうした美術スタッフの姿はテレビ画面には決して映ることがありません。美術部写真班のカメラは知られざる現場の姿を残していました。
これは何の番組なのでしょうか。どんな時代だったのでしょうか。なぜミニチュアが必要だったのでしょうか。写真展にはその答えがあります。是非ご自身でご確認ください。
❸セットを撮っていても、カメラは輝くスタアに吸い寄せられる
手前にスタッフが見切れている写真です。野菜の仲卸が舞台のドラマです。小道具が飾り付けられたミカン箱が雰囲気を出しています。美術部写真班は輝くスタアに吸い寄せられるように撮りました。本番でも、スティール宣伝写真でもない昭和の大スタアのオフショット写真となりました。事務所の許諾をいただき、公開しています。事務所の方たちも見たことがないものです。
❹「どこから来て、どこへ行くのか?」ひとつづきの「流れ」がわかる!
今回の写真展の特徴は、「流れ」を強く意識していることです。
テレビがスタートした頃はラジオと映画の全盛時代であり、テレビは明日をも知れぬ未知数のメディアでした。そのテレビが太陽のように地平線の彼方からのぼり、次第に高度を上げ、日本株式会社の高度成長と相互に響きあってぎらぎら輝く真夏の太陽になっていく。
そんなテレビの流れを時代の変遷の中に位置づけています。
テレビの写真から飛び出した時代のアイテムが散りばめられていて、時代の雰囲気が感じられます。ああ、そんな時代にあんなテレビが・・と見て楽しむことができると思います。
例えば❸の大スタアのオフショット写真は、東京五輪の年のもの。東京の街がモダンに変貌していった年。男性歌手では「御三家」が活躍し、世代交代が進んだ年。その年の「女王」の新しい挑戦だったということがわかります。
ゴーギャンの名画のように「テレビはどこから来たのか テレビは何者か テレビはどこへ行くのか」を考える材料になると思います。テレビの長い歴史をたどる小さな旅。
どうぞお楽しみください。
令和七年三月二十六日
TBSヴィンテージクラシックス
写真展プログラムディレクター
小島英人