放送法に基づく日本で唯一の放送番組アーカイブ施設である「放送ライブラリー(横浜市日本大通)」は、TBSが1957年(昭和32年)に放送した元祖テレビ映画『ぽんぽこ物語』の発掘原盤69缶のうち、修復が完了し再生可能となった51話を2年前の「発見」以来、初めて「無料上映会」として現存全話を公開致します。また「ドラマの原点」の魅力と意義を考察する関連セミナーを2回開催致します。
主催(公財)放送番組センター
協力 TBS
■『ぽんぽこ物語』発掘・復元特別上映会
DVD化12話に加え復元39話の51本を一挙上映
2020年12月15日-2021年1月24日
会場 放送ライブラリーイベントホール 入場無料
横浜市中区日本大通
■『ぽんぽこ物語』関連セミナー
『ぽんぽこ物語』に見るTBSドラマのDNA
第1回 12月19日 『ぽんぽこ物語』がテレビ黎明期に残したもの
第2回 1月16日 『ぽんぽこ物語』の面白さ、今に受け継がれたもの
司会 吉田正和(テレビアナリスト)
解説 市川哲夫(元中央大学教授/テレビプロデューサー)
ゲスト
第1回 小島 英人(発掘プロデューサー/TBSヴィンテージクラシックス)
第2回 西村 寿生(フィルム修復ディレクター/TBSスパークル)
永田周太郎(元美術プロデューサー/TBS)
『ぽんぽこ物語』(1957.11.11-1958.2.22 全73話 月-土夜6時から10分の連続テレビドラマ)は放送当時「国産初のテレビ映画」として話題だった。主演は人気絶頂の子役、小鳩くるみ。 脚本はテレビの顔役、川内康範。 制作は日本で最初のテレビ番組専門制作会社であった東京テレビ映画=現TBSスパークル。テレビの普及台数が50万台とまだ少なかった時代に初めてフィルム収録ものとして制作された。視聴率は最高16.7%。後継姉妹番組が『月光仮面』であり、テレビ普及期にあたり大きなブームとなった。『ぽんぽこ物語』はその後、フィルムの所在が行方知らずとなり、「幻の元祖テレビ映画」といわれるようになった。
2年前、TBSグループのTBSビジョン(現TBSスパークル)の倉庫棚卸しの際にフィルム缶が大量に発見された。本編73話のうち これまでに69缶のネガフィルムが見つかった。それぞれの缶には映像、音声各1のフィルムがあり、そのうち音声フィルム30本は劣化と腐敗が進行し再生できなかった。その中で映像音声の状態がよいものを選び12話を「TBS Vintage Japan ぽんぽこ物語ベストセレクション」と題したDVDとして今年2月に発売した。さらにTBSでは一年がかりで損傷フィルムの修復作業を進め、51話(発売分12話を含む)を蘇生させた。
放送ライブラリーはこの発見と蘇生を「日本のテレビドラマ史にとって歴史的な出来事」ととらえ
放送ファン、研究者、ドラマ好きの方々のために無料上映会の開催を決めた。関連セミナー(2回)あり。