映画『ゴジラ』のテーマ曲の作曲家として知られる伊福部昭(1914 -2006年)のトリビュートコンサートを収録したCDが、本日、8月17日(金)に発売された。今回のCD発売にあたり、発売元の北海道放送(以下HBC)/スリーシェルズ社/TBSヴィンテージクラシックスの3社は、2015年にHBCの倉庫で発見されながら、収録日や演奏者などが不明となっていた記録音源「伊福部昭/交響譚詩(第一楽章)」に再び着目し、調査を行ったところ、今から約50年前(1967年)に札幌市民会館にて、指揮は石丸寛、演奏は札幌交響楽団と豪華な布陣により公開収録された放送用音源であることが明らかになった。
「伊福部昭/交響譚詩(第一楽章)」は戦中の1943年に伊福部が前年に亡くなった兄を偲び、札幌で作曲したもので、同年に山田和男の指揮で演奏録音されて以来、現在は伊福部昭作品の中で演奏回数が最も多い楽曲の一つとして知られているが、当時、伊福部は兄弟の地元である北海道での演奏を望みながらも実現は遠く、終戦から数十年後の1967年、ようやく実現した地元・北海道での最古の演奏で、念願であった「凱旋」の記録と思われる。残念ながら本日発売のCDに収録することは叶わなかったが、配信限定で10月17日(水)リリースすることが、今回決定した。
本日のCD発売と50年前の『伊福部昭/交響譚詩 (第一楽章)』の配信決定に際して、伊福部氏の長女、伊福部玲さんは「この曲が放送された日のことは克明に覚えています。」と語り、半世紀ぶりに重要な音源が甦ることを喜んでいる。
北海道命名150年の記念すべき年に、北海道出身・伊福部昭の名楽曲がCDと配信で、次々にリリースされ、全国の伊福部ファンのみならず、クラシックファンにも熱い年になるであろう。
【CD情報】
「伊福部昭トリビュート 春の音楽祭 in Kitara」
<収録曲>
1.HBCコールサイン〜HBCラジオ・テーマ曲「ウポポ」 作曲 伊福部昭 編纂 藤田崇文
2.祝典序曲 作曲 SHOSTAKOVICH DMITRIJ DMITRIEVICH
3.バレエ組曲「ガイーヌ」よりレスギンカ 作曲 KHATCHATOURIAN ARAM ILICH
4.バレエ組曲「ガイーヌ」より剣の舞 作曲 KHATCHATOURIAN ARAM ILICH
5.交響詩「奇跡の一本松」 作曲 藤田崇文
6.交響管弦楽のための音楽<第2楽章> 作曲 芥川也寸志
7.「波の見える風景」 作曲 真島俊夫 編曲 藤田崇文
8.交響詩「聖なる泉」<ゴジラvsモスラより> 作曲 伊福部昭 編曲 藤田崇文
9.SF交響ファンタジー第1番<ゴジラ〜宇宙大戦争> 作曲 伊福部昭
10.シンフォニア・タプカーラ<第3楽章> 作曲 伊福部昭
11.北海道賛歌 [アンコール] 作曲 伊福部昭
12.「北の舞」…もしもゴジラが北海道に上陸したら…伊福部昭に捧げる [アンコール] 作曲 藤田崇文
13.HBCテレビジョン・テーマ曲〜HBCコールサイン 作曲 伊福部昭
収録:2018年3月20日 札幌コンサートホールキタラ
指揮:藤田崇文
演奏:札幌交響楽団
詳細はラインナップへ
【配信楽曲情報】
『伊福部昭/交響譚詩 (第一楽章)』
2018年10月17日(水)配信 ※予定
販売元:株式会社ポニーキャニオン
収録:1967年4月9日(日)札幌市民会館
指揮:石丸寛(1922−1998年)
演奏:札幌交響楽団