♪ドシラ ドシラ ドシラソラシドシラ 春がゴジラの足音で来襲。
3月20日札幌にて「伊福部昭春の音楽祭」開催。
命萌ゆる春。渦巻く生の混沌、悠久の歴史エネルギー。
TBS ヴィンテージブランドでのライブCD化が決定。
北海道命名150年”伊福部昭トリビュート春の音楽祭”
指揮:藤田崇文 演奏:札幌交響楽団 札幌Kitara大ホール
2018年3月20日(火)夜7時開演
主催 HBC北海道放送
制作 北海道放送、スリーシェルズ
制作協力 TBSヴィンテージクラシックス
【趣旨】
原生林の北の大地は150年前、蝦夷地から北海道へと歩みをはじめた。人々は寒冷に耐え自然と抗い実り豊かな美しい地域として開拓していった。そして、今、輝く近代を手にした。その一方で私たちは「縄文」を失った。アイヌが保持していた北方縄文人の文化のことである。北海道に春兆すこの日にこのコンサートが企画されたのは、北海道の祝年にあらためて歴史の浪漫と哀歓を音楽で感じようということである。
伊福部昭は、北海道が生んだ世界の巨匠である。1914年釧路に生まれ、アイヌと交わり、各地からの移住民たちの祭りを感じて育った。西洋の音楽書法を得て、日本人独自の管弦楽曲を作曲。戦前の西洋世界を驚嘆せしめた。戦後には映画音楽の大家となった。ゴジラの音楽に私たちは興奮と恐懼を覚える。アイヌのリズムと音感がある。縄文の野生のエネルギーがある。うつろい、流れはてていく歴史の時間の中で日本人の音楽的連続性を作品化しているところに伊福部音楽の魅力がある。
(TBSヴィンテージクラシックス 小島英人)
【プログラム】
第一部 伊福部昭へのオマージュ
ショスタコーヴィッチ:祝典序曲
ハチャトゥリアン:バレエ組曲「ガイーヌ」よりレスギンカ・剣の舞
藤田崇文:交響詩「奇跡の一本松」
芥川也寸志:交響管弦楽のための音楽(第2楽章)
真島俊夫/編曲藤田崇文:交響詩「波の見える風景」(管弦楽版初演)
第二部 伊福部昭の多彩な世界〜ラジオ、テレビ、映画、そしてクラシック〜
●ウポポ・・1952年、北海道に初流れた民間放送の音楽
TBSヴィンテージクラシックス戦後作曲家発掘集成所収
●ゴジラ対モスラ 交響詩「聖なる泉」
●SF交響ファンタジー1番 ゴジラ、キングコング対ゴジラ、宇宙大戦争、三大怪獣地球最大の決戦、怪獣総進撃
●交響曲 シンフォニカ・タプカーラ(日本人作曲のシンフォニーの歴史的名曲)
アンコール(北海道の歴史と伊福部昭の人生が凝縮した音楽が・・)
【CD化決定】
今回のCDはTBSヴィンテージクラシックスから発売される予定です。
ヴィンテージクラシックスは放送局から生まれた文化遺産を世に還す事業を行っています。
2014年には伊福部昭の名曲「ピアノとオーケストラのためのリトミカ・オスティ ナータ」の貴重な初演音源をTBS倉庫から発掘発売し大きな話題となりました。
2015年からはHBCと伊福部昭家とTBSが協力して音源を確認し
60年ぶりに「ヌタック・カムシュペ」という異色のラジオ劇の音楽が発見され
2016年に「戦後作曲家発掘集成(日本コロムビア)」のCDボックスに所収され
同年のレコードアカデミー賞特別賞を受賞しています。
そうした北海道放送とTBSの友情関係が発売のベースになっています。
伊福部昭の音楽を聴いて思うのは、それが人間の生の源から絞り出ているのだという事だ。民族音楽の研究によれば、音楽を持たない民族(民俗)はこの世にいないらしいのだが、伊福部の響きは、そんな普遍根源に刺ささってくる。
日本的、民族主義、アイヌ・・・等々の言葉はそんな原初の上に後から加えられたものではないのかと感じるのだ。
音楽を演奏する、研究すること。
それは人間探究の究極の手段。
この演奏会を通じて人間とは何かを考えたい。
(TBSテレビ 横井直行)