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なるほどカザルス(2)2014.12.2

ボタン写真 20世紀の楽聖といわれたパブロ・カザルスは、1961年4月6日の早朝、午前6時40分にパンアメリカン機で東京国際空港(当時は羽田)に降り立った。カザルス、生涯ただ一度の来日の瞬間である。
カザルスは、ダークグレーのスーツに黒いハットをかぶり
大芸術家の風格を漂わせた。空港を取り巻いた人々に手を振る。若きマリア・モンタネス夫人も歓迎の人々を見て思わず笑みがこぼれる。後ろには、4年間の修行を終えた平井丈一朗が師と同じように黒いつば帽をかぶっている。さて、カザルスの左手の日本人は誰だろうか。
この人こそ、日本の歌曲、唱歌の名曲を数多残した平井康三郎(1910-2002)である。出迎えと通訳の両方をこなした。
さて、カザルスは、身の丈5フィート3インチ(159cm)であったと伝えられている。ベートーヴェンは、5フィート4インチ((162cm)と小柄であったが、19世紀と20世紀の楽聖は、ともに小さな巨人であった。

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