©朱野帰子/講談社
詩穂は、今では少数派となった専業主婦。繰り返される娘と二人だけの毎日に、息苦しい気持ちになることもある。だが、彼女の周囲にも、性別や立場の違いはあっても「家事」に悩む人たちがいた――「家事」という「見えない長時間労働」。二児を抱え、自分に熱があっても休めない多忙なワーキングマザー。外資系企業で働く妻の代わりに、二年間の育休をとり、1歳の娘を育てるエリート公務員……。誰にも頼れず、限界を迎えそうになっていた彼らの存在に気付いたとき、詩穂は彼らに寄り添いながら、自分にできることを考え始める――。
原作者・朱野帰子さん
生き方が多様化する社会で「私の人生は正解だ」と思うことは難しい。それでも前向きに生きようとする人たちの物語を、TBS火曜よる10時のドラマチームに託しました。最高の脚本と最高の俳優陣に恵まれたことを幸せに感じています。
著者プロフィール
1979年、東京生まれ。2009年『マタタビ潔子の猫魂』(MF文庫ダ・ヴィンチ)で第4回ダ・ヴィンチ文学賞を受賞しデビュー。主な著書に、東京駅で働く人々を題材にした『駅物語』(講談社文庫)や、ドラマ化されて話題になった『わたし、定時で帰ります。』(新潮文庫)などがある。今回ドラマ化される『対岸の家事』(講談社文庫)も、専業主婦の主人公を中心に仕事や家事、子育てに奮闘する人々を描き、多くの共感を呼んだ。