手作りフリップ|サンデーモーニング|TBSテレビ

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手作りフリップ(2023年10月22日放送)

ガザはなぜ“天井のない監獄”になったのか…イスラエルによるパレスチナ占領とハマス台頭の歴史とは?

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空爆がなく日常ですら“天井のない監獄”に例えられるパレスチナ自治区ガザ。なぜ、この非人道的な地域が生まれ、なぜ、長年この状況に置かれ続けているのでしょうか。「憎しみの連鎖」の根底にある問題…イスラエルによるパレスチナ占領と封鎖の実態とは?ハマスはどのようにして台頭したのか?イスラエルの建国に遡り、手作り解説でお伝えします。

■“天井のない監獄”

パレスチナ自治区ガザですが、広さは日本の福岡市と同じぐらい。そこに、220万人以上が閉じ込められているため、「天井のない監獄」と呼ばれています。

イスラエルが全長65キロにわたる壁を建設。海側も含めて封鎖し、人や物資の出入りを厳しく制限しているのです。

ここに住むパレスチナ人は、国連などの支援物資に頼る生活を余儀なくされ、日常的に食糧や燃料の確保にも苦慮する状況。

どうしてこんな地域ができたのでしょうか。

■きっかけは『イスラエル建国』

イスラエルが建国されたのは第2次大戦直後のこと。ナチスによるホロコーストに象徴されるようにヨーロッパで迫害されてきた歴史を持つユダヤ人への国際的な同情が集まり、パレスチナの地にユダヤ人のための国家イスラエルを作ることが国連で決まったのです。

ちなみに、その時、ユダヤ人に部の領土が認められた一方で、それまでここに住んでいたパレスチナ人たちは土地を追われる形となり、エジプトやヨルダンなど周辺のアラブ諸国も反発。

イスラエルとの間で4度にわたる「中東戦争」が繰り返されました。

この戦争でアメリカを後ろ盾とするイスラエルがアラブ諸国を圧倒してパレスチナ全域を占領。

パレスチナ人の住む場所は、ヨルダン川西岸地区とガザ地区、この2つが占領下の自治区として残りました。

しかし、さらにイスラエルの入植活動などにより面積は縮小し続けていて、一定の自治権があるのは、限られたエリアのみとなっています。

■ハマスの台頭

イスラエルの占領に対するパレスチナ人の抵抗が続く中、1993年、この地に平和がもたらされる可能性が高まった瞬間がありました。

ノルウェーの仲介によって、イスラエルとパレスチナの「二国家共存」を目指すオスロ合意の成立。

イスラエルのラビン首相とパレスチナ側の指導者アラファト議長には、ノーベル平和賞も送られました。

このオスロ合意に基づきパレスチナの独立を目指す中、転機となったのが2006年、パレスチナの議会選挙です。

ここで過半数を制しパレスチナ自治政府の政権を取ったのが、対イスラエル強硬派のハマスなんです。

武装闘争も辞さない、ハマス政権をイスラエルは認めず、さまざまな工作をする中、パレスチナ側でも、ハマスと穏健派ファタハの間で対立が激化。

その結果…イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区にファタハ主導の自治政府が残り、ガザ地区をハマスが実効支配する形で分裂しました。

これを機にイスラエルは、ガザから占領軍を撤退させる一方、封鎖を開始。住民を閉じ込める壁を建てたのです。

■ハマスの奇襲攻撃

パレスチナ側はこれまでも壁の内側からイスラエル側へ向けてロケット弾などを打ち込むことはありましたが、今回、衝撃を与えたのは、越境攻撃でした。

ブルドーザーで壁を破ったり、パラグライダーで壁を飛び越えたりして戦闘員が侵入。多くのイスラエル人を殺害し、人質として連れ去ったことがイスラエル側のかつてない報復攻撃を招いているのです。

220万人が住む天井のない監獄が、さらに“地獄”へと変わる中、国際社会は、「占領」「反発」「報復」という憎しみの連鎖を止めることはできるのでしょうか。

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