手作りフリップ|サンデーモーニング|TBSテレビ

「サンデーモーニング」毎週日曜日あさ8:00~9:54放送、出演:関口宏,橋谷能理子,張本勲,唐橋ユミ,水野真裕美,杉浦みずき ほか

手作りフリップ(2023年8月27日放送)

「夏の甲子園」慶応高校が優勝“107年ぶり”の快挙の裏側に「エンジョイ」の野球哲学…脱スポ根の流れも

手作りフリップ

高校野球107年ぶりの優勝に沸いた慶応高校。髪型も自由で、先輩後輩も対等という、これまでの強豪校の常識とは違う、新たなスタイルで、快挙を成し遂げました。掲げる野球哲学は「エンジョイ・ベースボール」。“スポ根”の象徴ともいえる高校野球界でも選手の過度な負担を減らす流れが強まっています。手作り解説でお伝えします。

最長ブランク記録を塗り替え…

高校野球、夏の甲子園で優勝した慶応義塾高校。北陸、広陵、沖縄尚学、土浦日大、仙台育英など、強豪校に次々と勝利し、全国3486チームの頂点に立ちました。

今回の優勝は2度目なんですが、前回は遡ること107年前。1915年に旧制中学時代の全国大会が始まった翌年の1916年、第2回大会でした。

その時の参加校は全国で115校。そこから地方予選を勝ち抜いた12校が、大阪の豊中球場というところで全国大会を行いました。まだ甲子園球場もなかった時代です。ちなみに、107年ぶりの優勝は、最長ブランクで、作新学院の54年ぶりを大きく更新しました。

低迷していた古豪

甲子園球場がなかったころも含め、慶応高校の全国大会出場は、春夏あわせて29回。ただ、そのうち21回は1962年までで、そこから40年以上も甲子園から遠ざかっていました。

国民的人気と「スポ根」の象徴

その間、高校野球は、1965年にカラーテレビの中継が始まり、1978年には各都道府県の49代表が競い合う制度になり、国民的な人気が定着します。

坊主頭、寮生活で厳しい上下関係、1人のエースが連投するのが当たり前といった、スポーツ根性論の象徴にもなっていきます。

そんな中で、黄金期のPL学園を支えた桑田・清原のKKコンビや、5打席連続敬遠された松井秀喜、決勝でノーヒットノーランを達成した松坂大輔ら、数々のスター選手も登場しました。

もともと近畿や関東の高校の強さが際立っていましたが、冬の間にグラウンドが雪におおわれ野球に不利とされていた北国でも、2004年に駒大苫小牧が初めて北海道に優勝旗をもたらし、2022年は仙台育英が東北勢として初めて優勝するなど、今や地域差を感じさせなくなる状況も生まれつつあります。

復活した古豪、その裏側に…

そして、長らく甲子園から遠ざかっていた慶応高校ですが、2003年に、優秀な選手を集めるための推薦入学の制度を始め、2005年、43年ぶりに甲子園出場を勝ち取ります。

このときの監督が掲げたのが「エンジョイ・ベースボール」=「楽しむ野球」です。髪型は自由で、先輩後輩の上下関係も撤廃。朝練や居残り練習も自由参加。休日の練習は半日ほど。などなど、かつての強豪校の常識とは違うスタイルで、頂点まで勝ち上がったのです。

高校野球界に負担軽減の流れ

高校野球そのものも、ここ最近、大きく変わってきています。今大会では、髪型について、慶応以外にも自由な高校が増えたことが話題となりました。

負担軽減の制度も増えています。2013年からはピッチャーの連投を避けるため休養日が設けられ、2018年からは、延長戦を早く決着させるタイブレークが導入されています。

今大会では、猛暑対策として、5回終了時に10分間の「クーリングタイム」という休憩時間も設定されました。高校野球も脱スポ根の流れが強まりつつあります。

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