手作りフリップ|サンデーモーニング|TBSテレビ

「サンデーモーニング」毎週日曜日あさ8:00~9:54放送、出演:関口宏,橋谷能理子,張本勲,唐橋ユミ,水野真裕美,杉浦みずき ほか

手作りフリップ(2023年8月6日放送)

「ふるさと納税」過去最高 返礼品と自治体のランキングは?地方税10億円の町に150億円…何に使う?

手作りフリップ

今年も過去最高額を更新した「ふるさと納税」。
そもそも導入当初の制度にはなかった返礼品はどう広まった?人気の返礼品と寄附額トップの自治体ランキングは?税収10億の町に集まった150億円の使い道とは?流出額も過去最高を記録。東京・世田谷区では学校の老朽化問題に影響も?手作り解説でお伝えします。

■そもそも「ふるさと納税」とは…

そもそも「ふるさと納税」は、人口が増えて税収も増加する都市部から、過疎化や税収の減少に悩む地方にお金を回す目的で2008年度に始まりました。応援したい自治体を選んで寄附をすると、2000円を除く寄付した額の分だけ所得税や住民税から差し引かれる仕組みです。

■「返礼品」は制度設計に含まれていなかった

今では当たり前となった返礼品ですが、導入当初は、総務省の制度設計に含まれておらず、一部の自治体が自主的に贈り始めたことから徐々に広まります。そうした自治体の「返礼品」を纏めたサイトが開設されたのが2012年。さらに2015年に確定申告が一部不要となって以降、寄附先を「返礼品で選ぶ」スタイルが一気に定着。高価な返礼品を掲げる自治体の競争も加速していきました。

■人気の返礼品と寄附額トップの自治体ランキングは?

多くの寄付を集める自治体には、やはり目玉となる返礼品があります。2022年度、最も多くの寄附を集めたのは、宮崎県都城市。地鶏や宮崎牛が人気で、195億円を集めました。2位から4位は北海道。それぞれ人気の返礼品は、紋別市がホタテ、根室市がイクラ、白糠町(しらぬかちょう)がサーモンです。そして5位に入ったのが、かつて1位を取って話題となった大阪の泉佐野市。当時、金券を贈る手法が物議をかもしましたが、現在の返礼品1位は牛ハラミです。

■気になる寄附額の使途は…

こうした巨額の寄附が自治体にとってどれぐらい大きいものなのか。例えば4位の白糠町(しらぬかちょう)。人口およそ7000人の町で、町民税など本来の税収は10億円程ですが、そこに150億円近い追加の収入が入っているわけです。その使い道も気になりますが、出産応援給付金5万円の支給や、18歳までの医療費・保育料・学校給食費の無償化などを実現したといいます。

■広がる都市部の住民税の流出

このように「ふるさと納税」の恩恵を受ける自治体がある一方で、税金の流出に悩むのが都市部の自治体です。2023年度の流出額のランキング。このうち横浜市、名古屋市、大阪市は、地方交付税の交付対象であるため、「ふるさと納税」で流出した税収の75%は国から補填されます。しかし、川崎市と東京・世田谷区は、これまで独自の税収で財政運営できると判断されていて地方交付税の交付対象となっていないため、流出分はそのまま減収となるのです。

■東京・世田谷区では学校の老朽化問題に影響も?

行政サービスへの影響も危惧されており、例えば、世田谷区では、区内の小中学校のうち50校ほどの建物が老朽化していて、区は毎年3校のペースで改築する計画を立てています。しかし、1校あたりの費用が40億円程度かかるため、このままでは影響は避けられないとしています。保坂展人区長は「ふるさと納税の本来の趣旨は自治体への『応援』だが、今や本末転倒」「『返礼品』を選ぶ『通販合戦』となっている」と指摘。

■“応援する自治体への寄附”という本来の趣旨とは…

魅力的な返礼品を持つ地方にとっては、さながら打ち出の小づちとなっている「ふるさと納税」。一方で、過熱する返礼品競争によって、“応援する自治体への寄附”という本来の趣旨とはかけ離れた実態も浮き彫りになっています。

»手作りフリップ 一覧

»HOME

Copyright© 1995-2024, Tokyo Broadcasting System Television, Inc. All Rights Reserved.