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手作りフリップ(2022年5月29日放送)

「免疫を持たない世代の感染増加」世界20か国で拡大するサル痘 症状と注意点は?

手作りフリップ

新型コロナの収束も見えないなか、これまでアフリカ以外でほとんど確認されなかった「サル痘」の感染が、世界各国で広がっています。どんな症状があり、何に気を付けなければならないのでしょうか。

■世界20か国で感染拡大 日本では…

世界で広がりを見せているサル痘ですが、ECDC=欧州疾病予防管理センターなどによると、アフリカの地域を除く20か国で220人の感染が報告されています(5月29日時点)。

日本で感染者は出ておらず、WHOは流行の原因に分からない部分も多いとしていますが、今のところ先進国で死者は出ていません。

サル痘に感染すると、顔や体にブツブツとした発疹が出来てしまいます。どんな感染症なのでしょうか。

■「サル痘」名前の由来は?どんな症状?

「サル痘」という名前がついていますが、ウイルスの自然界の宿主はアフリカのリス属とされ様々な動物にも感染しますが、最も感染しやすい動物が猿だといいます。

1958年にワクチン製造用の実験動物だったカニクイザルという猿から、初めてウイルスが見つかりました。正確な感染経路は分かりませんが、1970年にザイール、現在のコンゴ民主共和国で、初めてヒトへの感染が確認されたのです。

サル痘のウイルスは、感染した人や動物の飛沫や血液、体液に多く含まれています。ヒトからヒトへ感染することは稀で、ウイルスを持つ野生動物に噛まれたりした場合に感染することが多いです。しかし、感染した人と、同じ食器を使って唾液が口から入ったり、同じ寝具などを使い、発疹に触れた部分から体液が体に入ると、ヒト同士でも感染する可能性が高いとされます。

潜伏期間は平均で12日程度。発症すると、まず発熱、頭痛、筋肉痛などが5日ほど続き、その後、発疹が現れます。顔から始まり、体中へと広がると、発疹は徐々に膨らんで水ぶくれとなり、最後にはかさぶたとなって剥がれ落ちます。

サル痘には2つの系統があり、その1つ西アフリカ系統は、軽症の患者が多いとされています。今回感染が広がっているのは、この西アフリカ系統とみられています。もう1つのコンゴ盆地系統は、ヒトからヒトへの感染力も強く、致死率も1~10%程になるといいますが、どちらの系統のサル痘でも先進国で死亡した人はいません。

■感染拡大の要因は?「免疫を持たない世代で感染拡大」

今回の感染拡大について、サル痘に詳しい岡山理科大学の森川教授は「免疫を持っていない世代で感染が拡大している」と指摘します。森川教授によれば「天然痘のワクチンには、発症や重症化を防ぐ効果がある」とのことですが、1977年にWHOが天然痘の撲滅を宣言した頃からワクチン接種が行われなくなったため、免疫を持たない50歳以下の人は特に注意が必要だといいます。

新型コロナをはじめ、ここ数十年で、様々な感染症が私たちの前に現れています。今回のサル痘の流行も詳しい感染経路がまだわかっていないため、引き続き警戒が必要です。

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