手作りフリップ|サンデーモーニング|TBSテレビ

「サンデーモーニング」毎週日曜日あさ8:00~9:54放送、出演:関口宏,橋谷能理子,張本勲,唐橋ユミ,水野真裕美,杉浦みずき ほか

手作りフリップ(2022年4月3日放送)

「『ロシア苦戦のかげに“SNS戦争”』衛星も駆使…ウクライナ軍のネット戦略とは」

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ロシアによるウクライナ侵攻から1か月以上。ロシア軍に予想外の苦戦を強いているのは、市民が投稿したSNSでした。衛星インターネットをも駆使する“新しい情報戦”とは?

■政府の統制を受けていないとされる「テレグラム」に情報が集まる

ロシア軍を苦戦に追い込んでいる要因の1つが、ウクライナ側の「SNSレジスタンス」です。

ロシアで開発され、政府の統制を受けていないとされる、通信アプリ「テレグラム」。ウクライナ政府は、このアプリに、侵攻の直後から、「ロシアの戦争を止(と)めろ」という専用の窓口を設けました。

すると、自分の住む地域で、ロシア軍を目撃したウクライナ国民などが、敵の位置情報などを、次々と投稿し、一気に情報が集まったのです。実際に、ウクライナ政府は破壊されたロシア軍の車両の画像をツイッターに投稿。市民らの情報を元に、反撃に成功したと言うのです。

■ウクライナの呼びかけにイーロン・マスク氏がすぐに応じて…

インターネットを使ったウクライナの反撃は他にもあります。

偵察用ドローンに搭載された赤外線カメラが、ロシア兵の様子を捉えていました。白い点のようにカメラに写るロシア兵。戦場は本来、通信環境が不安定で、情報の共有が難しい場所ですが、ウクライナ軍は、偵察部隊がドローンで集めた情報を、攻撃部隊と素早く共有し、戦果を挙げていると言います。

それを可能にしているのが、アメリカの実業家イーロン・マスク氏の「スペースX社」が手掛ける「スターリンク」という衛星インターネットサービスです。 2000基を超える衛星を使って通信を行う「スターリンク」。衛星が見える範囲なら地球上どこでも、通信が可能になると言います。

また、この衛星は、高度550キロの低軌道上にありますが、攻撃することは容易ではなく、ロシア軍も手が出せないのです。

ウクライナ側がこれを使えるきっかけが、ネット上での、この呼びかけでした。「ウクライナに、スターリンクを提供してください」とツイッターに投稿したのは、31歳の若さでウクライナのデジタル転換大臣を務める、ミハイロ・フェドロフ氏。この呼びかけに、イーロン・マスク氏がすぐさま応じ、わずか10時間後には、ウクライナは強固なインターネット環境を手に入れたのです。

■「戦争の事実が明らかになっている」

一方で、世界の市民の間でも、こんな動きがあります。

3月24日に撮影された、マリウポリにある赤十字国際委員会の倉庫を見ると、攻撃で屋根に穴があいているのが見えます。さらに4日後の画像では、穴が増えているのがわかります。ロシア側は未だに「攻撃対象は軍用の施設」としていますが、画像を見る限り、被害は広がっています。

実は、この画像を公開したのは、アメリカの衛星運用会社「マクサー・テクノロジーズ」という民間企業で、こうした衛星画像を無償で公開しています。

多くの子供が犠牲になったマリウポリの劇場が空爆された際も、画像を公開。劇場の周辺には、ロシア語で「子供たち」という文字が書かれています。

このように、画像を分析できれば、一般の人でも、戦争の被害を検証することが可能になるのです。

東京大学の渡邉英徳教授は「インターネット上で、技術が掛け合わされることで、新しい手法が生まれ、戦争の事実が明らかになっている」と言います。

“新たな情報戦”のもと、ロシア軍は予想以上の苦戦を強いられています。

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