手作りフリップ|サンデーモーニング|TBSテレビ

「サンデーモーニング」毎週日曜日あさ8:00~9:54放送、出演:関口宏,橋谷能理子,張本勲,唐橋ユミ,水野真裕美,杉浦みずき ほか

手作りフリップ(2021年10月17日放送)

「物価高…コロナから経済再開で」

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コロナから経済を再開しつつある国々で起きている異変。 日本でも、大手牛丼チェーン店が並盛を60円値上げ。 牛タン専門店も定食を275円値上げするなど、今、物の値上げが相次いでいます。

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背景には、中国やアメリカなど、新型コロナからいち早く立ち直った国が急激に経済を回し始め、需要が高まったことがあります。 そして、もうひとつの理由が、「輸送料の値上げ」です。

輸送料の値上げに関係しているのが、VTRにもあった原油の高騰。 コロナからの経済再開でエネルギー需要が急激に高まっている一方で、欧州を中心に「エネルギーの脱炭素化」の流れが強まっています。

そのため、産油国が将来、原油の需要が減ることを見据え、今、高く売っておこうと、増産に対して消極的になっているのです。

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輸送料の値上げの理由は、もうひとつあります。
VTRにもあった、アメリカ・ロサンゼルス港の沖合に停泊する大量のコンテナ船。 港にも、たくさんのコンテナが積みあげられています。 なぜ、このような状況になってしまっているのでしょうか。

物流におけるコンテナは、人間の体でいうところの「血液」のようなもの。 荷物を運んで、空となったコンテナは、別の荷物を積んで次の目的地に向かうといったように、コンテナが世界中を巡ることで、物流が成り立っているのです。

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コロナからの経済再開で物流の需要は一気に高まっていますが、港ではコロナの影響などで働き手が足りないことに加え、感染対策で検疫も強化されています。 これにより荷下ろしに時間がかかり、ロサンゼルス港のように、コンテナが溜まってしまうのです。

空のコンテナが溜まれば、他の場所から荷物を届けたくても、「積むためのコンテナがない」、といった輸送の目詰まりが起きてしまうのです。

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さらに、もう一つの問題が「コンテナ」そのものが減ってしまっていることです。 現在、貨物用のコンテナは、9割以上を中国が生産しています。

しかし、おととしに起きた米中貿易摩擦によって、コンテナ輸送の需要が減ったため生産数が40%も減少。そこに新型コロナが追い打ちをかけ、工場の稼働率も低下。 新しいコンテナの生産は始まっていますが、追い付いていないのが現状です。 輸送の目詰まりと、コンテナそのものの不足、これらが重なったことで、1回の輸送の価値があがっているのです。

日本海事センターによれば、輸送料が7倍以上に跳ね上がっている船便もあるといい、実際、小麦粉やコーヒー豆の値上げといった影響が出始めています。

冬に向け原油の需要がさらに高まると、石油を使った他の製品の値上げなど影響がさらに広まり、私たちの家計にも冷たい風が吹きつけそうです。

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