手作りフリップ（2021年9月19日放送）
「藤井聡太さん最年少で三冠に」
今回、叡王戦で豊島将之二冠に勝利し、タイトルを奪取した藤井聡太さん。 史上最年少「「19歳1か月」での三冠達成で、これまで羽生善治九段が持っていた「22歳3か月」という記録を28年ぶりに更新しました。
今現在、将棋界のタイトルは8つあり、こちらの4人で分け合っていて、4強時代と言われています。この中に今は羽生さんは入っていません。 タイトルの数では、藤井三冠は、渡辺三冠と並びました。
1996年、史上初めて当時の七大タイトル全て独占という偉業を達成した、羽生九段と藤井さんを比較しても、羽生さんが最初のタイトルを獲得したのが、19歳3か月（竜王）なのに対して、藤井さんが17歳11か月（棋聖）。
二冠となったのは羽生さんが21歳11か月（王座・棋王）で、藤井さんは18歳1か月（王位・棋聖）と早いペースで記録を塗りかえてきたことから、藤井1強時代の到来を予感させます。
そんな藤井さんは、将棋に専念するため、今年1月、卒業間近だった高校を中退。 コロナ禍でもAIを相手に将棋を指し続け、腕を磨きました。 AIが2017年に当時の佐藤天彦名人を破るなど、「AIは今の棋士のレベルを超えている」と話題になりました。
今では、多くの棋士が将棋研究にAIを使っておりAI世代とも呼ばれています。 対局の中継でも、同時進行でAIが、次の一手を予測しているのです。
･叡王戦の勝利の決め手となったのは、終盤103手目。 そのとき1秒間で4000万手を分析できるという、AIが最善の手と予測した5つのパターンはこちらでした。そのとき藤井さんが指した手をご覧ください。
「【解説】おおお…桂馬跳ねるんだ…そこですか…それは考えてなかった…いやあ思いつかないですね。うーん…」
左端へ「9七桂(けい)」の一手です。
まさに藤井さんだけが指せる、常識破りの一手で、勝利を呼び寄せたのです。
歴史を塗り替え続ける藤井さん。17日の棋王戦では破れてしまいましたが、来月は竜王のタイトル戦に挑みます。
対戦相手はまたもや豊島竜王で、これまでの戦績は藤井三冠の8勝9敗となっています。 こうした駒が躍動する藤井さんの将棋で、「最年少四冠達成」となるのでしょうか。