手作りフリップ(2021年7月18日放送)
「宇宙旅行…本格化へ!」
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リチャード・ブランソン氏率いる「ヴァージン・ギャラクティック」が成功した試験飛行。 3日後、現地時間の20日には、インターネット通販大手「アマゾン・ドット・コム」の創業者ジェフ・ベゾス氏が、自らの宇宙企業「ブルーオリジン」の試験飛行に臨みます。
富豪として知られる2人は、子どもの頃からの夢だった「宇宙旅行」を、観光事業という形で実現しようとしています。2社を比較しながら、宇宙旅行の最前線を紹介します。

「ヴァージン・ギャラクティック」は、2機の飛行機を合体させたような「母船」に、乗客4人とパイロット2人を乗せた宇宙船を、固定させています。
まず母船は飛行機のように水平に離陸し55分後、高度15㎞に達したところで宇宙船を切り離し、宇宙船のロケットエンジンに点火、音速の3倍、「マッハ3」以上の速度で上昇、90秒後には最高高度のおよそ86㎞に到達します。そこでエンジンを停止し、「無重力」タイムが始まります。

「満面の笑みを浮かべ、無重力状態を楽しんでいるのはブランソン氏です。シートベルトを外して、船内を漂いながら、美しい地球と宇宙空間の景色を楽しめます。無重力状態はおよそ4分間続きます。」
その後、グライダーのように下降し滑走路に着陸、総飛行時間はおよそ70分でした。
一方、20日、ジェフ・ベゾス氏を乗せて試験飛行される「ブルーオリジン」は、ロケットブースターの上部に、乗客6人が乗れる宇宙船が搭載されています。 ロケットエンジンでほぼ真上に飛び立った宇宙船は、発射3分後にロケットブースターから切り離されます。

発射から4分後には最高高度の100㎞に到達。およそ2分の無重力状態を味わったあと、発射から6分後に下降をはじめます。発射11分後には着陸します。 やや慌ただしい気もしますが、「ブルーオリジン」側がこだわるのは高度です。
アメリカ空軍は高度80㎞以上を宇宙と定義していますが、国際航空連盟は高度100㎞以上としていて、国際基準では「ヴァージン・ギャラクティック」を宇宙旅行と呼ぶのは疑問だ、というのです。
一方で共通点もあります。打ち上げに使用する、母船やロケットブースターを再利用するため、いずれもそのまま着陸できるように設計されていることです。これが大幅なコストダウンに繋がるのです。

価格は「ヴァージン・ギャラクティック」は25万ドル、およそ2700万円。
すでに60か国以上からおよそ600人の予約が入っていて、日本人20人も含まれているといいます。
「ブルーオリジン」は、価格は決まっていませんが、あさっての試験飛行の1席がオークションに出品され2800万ドル、およそ30億円の値がつきました。このお金は科学教育のために財団に寄付されるといいます。
宇宙旅行事業は「夢」だけではなく、多くのビジネスチャンスを生み出しているのです。
