手作りフリップ|サンデーモーニング|TBSテレビ

「サンデーモーニング」毎週日曜日あさ8:00~9:54放送、出演:関口宏,橋谷能理子,張本勲,唐橋ユミ,水野真裕美,杉浦みずき ほか

手作りフリップ(2021年7月11日放送)

「大雨災害…緊急安全確保とは」

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鹿児島県薩摩地方で冠水被害をもたらした非常に激しい雨。このもととなった線状降水帯に備えるため、気象庁が先月中旬から発表するようになったのが「線状降水帯発生情報」です。

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そもそも線状降水帯とは、次々と発生する積乱雲が列をなし3時間以上にわたって、ほぼ同じ場所に停滞して線状に雨を降らせる現象。 実は、集中豪雨の7割が線状降水帯によるものだと言われています。 最大の特徴は、時間と場所を前もって予測することが困難であること。 そのため、発表の時点では災害級の雨が「今まさに降っている」ことになります。

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ここ数年を見ると、これらの被害が出ています。注目したいのは、これらの日付。 いずれも・・・「7月上旬」に起きているんです。 なぜ、この時期に「線状降水帯」が発生しやすいのでしょうか。

まず、暖かく湿った空気が太平洋高気圧の「へり」を通って、梅雨前線にぶつかり、積乱雲が発生しやすくなります。その際、上空の風の向きなどにより、一つ一つの積乱雲が線状に並び、雨を降らせることがあるのです。

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メカニズムに詳しい東京大学の佐藤教授は、線状降水帯が発生しやすい九州地方の7月上旬の平均気温がこの50年で1.1℃上がっていることに注目。 気温が上がると、大気中の水蒸気も増えるため「近年の災害級の雨を伴う線状降水帯は温暖化によって強まっている可能性がある」と分析しています。

そして、もう一つ押さえておきたいのが、今年5月から導入された自治体による「緊急安全確保」の発表です。 7月に入って「12の市や町」で出されました。

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そもそもこの情報は、気象庁が「大雨」「氾濫発生」「土砂災害」などの情報を出し、これをもとに、市町村のトップが「警戒レベル」を発表します。 国は「レベル4」までに避難を完了してほしいとしていますが、警戒レベル5の「緊急安全確保」は、すでに安全な避難ができず命が危険な状況を示していて、ただちに、今いる建物の高い場所に移るなど最善の行動を呼びかける発表です。

実際に運用が始まってみて、課題も浮かび上がってきました。
神奈川県平塚市を例にとると、避難の対象となったのはおよそ20万人。 そのうちレベル4の時点で避難所に避難した住民は143人、全体の1%にも満たなかったのです。

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防災に詳しい東京大学大学院の松尾客員教授は、「周知徹底を図る時間があまりになさすぎた。行政が住民に対しその地域に合った避難を説明しないと混乱が続く」と警鐘を鳴らしています。

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