手作りフリップ(2021年6月6日放送)
「新型コロナ・ワクチン効果は?」
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医療従事者へのワクチン接種が始まって3か月半。接種によって、ウイルスと闘う抗体がどれくらい出来るのか。1800人という、規模の大きな調査の結果が発表されました。
千葉大学病院がファイザー社製の新型コロナワクチンを2回接種した、職員1774人の血液を採取し、抗体の量を調べたところ、ほぼ全員の1773人、99.9%に、抗体の量が増えたことがわかりました。
接種前の職員はほとんど抗体がありませんでしたが、接種後は濃度を表す数値が2060まで大幅に上昇したのです。
ちなみに新型コロナに感染していた職員の、接種前の量はおよそ35だったということで、ワクチンの接種によって2000を超える数字というのはかなり大きな上昇ということになります。
さらに抗体の量には個人差があることもわかりました。男女差で見ると、女性の方が比較的抗体の量が多く、その理由はまだ分かっていませんが、他のワクチンでも女性の方が抗体反応が高いことが報告されています。
年代別では「若い人ほど多く抗体が作られる」ことも分かり、これは年齢とともに免疫反応が弱まることが影響していると考えられます。
さらに接種1回目と2回目の間隔の違いでは、抗体の量に差が出てくるようです。 ファイザー製のワクチンは3週間間隔を開けることが適切とされていますが、3週間よりも「短い」「3週間ちょうど」「長い」で比べると、3週間より「長い」人の抗体の量が、最も多かったのです。千葉大学病院は「3週間後に予約がとれなくて、非常に不安に思う人もいると思うが、少し後ろにずらす程度なら問題ない」といいます。
またこんな結果も。花粉症の薬など、抗アレルギー薬を飲んでいる人の方が、抗体が出来やすかったといいます。
そして、お酒を飲む人にはちょっと気がかりなデータも出てきました。お酒をまったく飲まない人と、週に2~3回飲むという人は、抗体の量に殆ど差はありませんでしたが、毎日飲むという人は、抗体の量が2割ほど少なかったという結果が出たんです。理由は分かっていませんが「接種をした当日は控えた方がいいのでは」ということでした。
他にも、気になっている方もいると思いますが、肥満度を示すBMIや、患っているごらんのような病気、飲んでいる薬などでは、抗体の量に差は見られなかったといいます。
千葉大学病院は「抗体がどの程度あれば感染防御の能力があるかは示せていないが、多くの人に十分な抗体が確認されたので、きちんとワクチンを接種してほしい」と説明しています。