手作りフリップ|サンデーモーニング|TBSテレビ

「サンデーモーニング」毎週日曜日あさ8:00~9:54放送、出演:関口宏,橋谷能理子,張本勲,唐橋ユミ,水野真裕美,杉浦みずき ほか

手作りフリップ(2021年5月16日放送)

「衝突激化…イスラエルとパレスチナ」

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イスラエル軍のガザ地上攻撃にまで発展した衝突はなぜ起きたのか?地図を見ながら説明していきます。

オレンジの部分がイスラエル、2つの赤の部分がパレスチナ自治区です。拡大すると…地中海に面した赤い部分がイスラム組織「ハマス」が実効支配するガザ。ここからおよそ80キロ離れたイスラエルの都市テルアビブに向けて、数百発のロケット弾が発射されたわけです。

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イスラエル南部で撮影されたこの写真には、ガザから一斉に発射されたロケット弾と、イスラエルの迎撃ミサイルが写っています。

ハマスは射程が120キロある新型ロケット弾を使用、一方イスラエルはアメリカと共同開発した迎撃ミサイル「アイアンドーム」で対抗しました。

大規模な戦闘へと発展したイスラエルとパレスチナの衝突ですが、そのきっかけは、聖地エルサレムで起きていました。

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エルサレムはイスラエル側の西エルサレムと、パレスチナ側の東エルサレムに分かれていますが、東エルサレムで暮らす複数のパレスチナ人家族に、ユダヤ人入植者が立ち退きを求める裁判を起こし、イスラエルの裁判所がユダヤ人の主張を支持、今月2日までに立ち退くよう求める判決を下したのです。

この裁判に抗議するパレスチナ人たちと、イスラエル警察との間で起きた小競り合いが、きっかけの一つとみられています。そこに、イスラム教の断食月ラマダンが重なります。

イスラム教、ユダヤ教、キリスト教の聖地が集まる「旧市街」に、大勢のイスラム教徒が訪れることを警戒したイスラエル警察は、ダマスカス門を封鎖して入場制限しますが、これが火に油を注ぐことになります。衝突は拡大、イスラム教の聖地アルアクサモスクにまで及び、結局、軍事衝突にまで発展したのです。

そして、衝突に至るイスラエルとパレスチナ間の緊張には、ある人物がとった政策の影響が見え隠れします。トランプ前大統領です。

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エルサレムについては「国際管理のもとにおく」として、イスラエルとパレスチナ、いずれにも帰属しないというのが日本を含む国際社会の立場です。

ところが2017年12月、トランプ大統領はこれを覆し、「エルサレムをイスラエルの首都と認定する」と宣言。ヨルダン川西岸地区でのユダヤ人の「入植活動」についても、歴代のアメリカ政権では初めて、容認するとの立場を表明したのです。

2020年には、ユダヤ教徒で、当時・大統領上級顧問を務めていた娘婿のクシュナー氏主導で、イスラエルとアラブ首長国連邦、バーレーン、スーダンなどアラブ諸国との国交正常化を仲介。 こうした動きがパレスチナ側の信頼を損ね、パレスチナ自治政府のアッバス議長は「アメリカ主導の和平交渉には参加しない」という立場をとることになり、さらにイスラエルのネタニヤフ首相との「対話チャンネル」は、絶たれた状態になります。

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キーパーソンとみられているアメリカのバイデン大統領ですが「事態の沈静化」を訴えながら、国連の安全保障理事会では『イスラエル、パレスチナ双方の暴力を非難する』との声明に反対するなど、対応はちぐはぐにも見えます。

有力な仲介者を欠いたまま、衝突はどこまで拡大するのでしょうか…?

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