手作りフリップ|サンデーモーニング|TBSテレビ

「サンデーモーニング」毎週日曜日あさ8:00~9:54放送、出演:関口宏,橋谷能理子,張本勲,唐橋ユミ,水野真裕美,杉浦みずき ほか

手作りフリップ(2021年5月9日放送)

「ワクチンで特許放棄?」

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バイデン政権が支持を表明した、ワクチンの特許権の一時的な放棄とはどういうことなんでしょうか。

そもそも製薬会社が持つワクチンの特許権は、WTO=世界貿易機関の協定で保護されていて、その期間は最短でも20年です。この間、特許権を持たない製薬会社は、より低価格で同じ有効成分を持つジェネリックワクチンを作ることができません。

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特許権の扱いについて、現在、WTOで議論されていて、インドや南アフリカなどの途上国側は、より安く、世界各地で自由に生産できるよう、特許権を一時的に放棄することをWTOに提案。

これに対し、アメリカを含む先進国側は、ワクチン開発に投じた多額の資金を回収したいなどの理由から、特許権の放棄に反対、議論は平行線を辿ってきました。

今回バイデン政権は「ワクチンを独占している」との批判をかわすため、特許権の一時的な放棄を支持すると表明。従来の考えを一転し、途上国側に歩み寄った形です。

この表明を受け、WHO=世界保健機関のテドロス事務局長は、「ワクチンの公平な供給に向けた歴史的な決断を称賛する」と歓迎のコメントを発表しました。

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一方、波紋も広がっています。ファイザーとワクチンの共同開発をしたビオンテックの本社があるドイツのメルケル政権は6日、「反対」を表明。「知的財産(特許権)の保護は技術革新の源で、今後もそうあり続けなければならない」と強調しています。

この翌日、EU=ヨーロッパ連合のフォンデアライエン委員長は、「特許権を放棄しても短期・中期的には問題は解決しない」と述べ、アメリカがワクチンの輸出を拡大する必要があると指摘しています。

ジェネリックワクチンが世界中で生産され、ワクチン接種が加速するには時間がかかりそうです。

そのワクチン接種をめぐっては、先進国と途上国との間に深刻な「ワクチン格差」が広がっています。

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こちらはワクチン接種を完了した人の割合を示すグラフ、アメリカやイギリスでは接種が進む一方、南米、インド、アフリカでは進んでいません

こうした状況を反映してか、世界の1日あたりの新規感染者の数は、依然、増加傾向にあります。

感染者が出ても他の人への感染が減って流行しなくなる「集団免疫」を獲得するには、世界の人口の7割を超える人がワクチンを接種する必要があるとされていて、国の枠を超えた接種が急務となっているのです。

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こうした中、日本では、依然としてワクチン接種が進んでいません。
接種を完了した人の割合はわずか0.9%です。

金曜日、菅総理は1日100万回の接種を目指す考えを示しましたが、接種予約でつまずく自治体があったり、接種を担う医療従事者が不足していたりと、課題が山積しています。

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