手作りフリップ（2021年5月2日放送）
「脅威…インド型変異ウイルス」
今、インドで猛威を振るっている変異ウイルスとは何か？
一つのウイルスの中に2つの特徴的な変異｢L452R｣と｢E484Q｣を遭わせ持っているのです。
人の細胞と結合し侵入するウイルスの突起部分、スパイクタンパク質は、1200以上のアミノ酸配列で形成され、その内の452番目と484番目が変異したものです。
どんな変異を持つのか見てみます。
これまで新型コロナの感染者や死亡者は欧米で多く、日本を含む東アジアでは少なめでした。
なぜなのか？原因はハッキリせず何らかの原因「ファクターX」の存在があるのではと言われてきました。 その一つかもしれないともみられているのが、日本人の6割が持つ“異物を認識する白血球”の型です
しかしL452Rは“とても厄介な変異ウイルス”かもしれません。
日本人に多いその白血球の型が、ウイルスを異物として認識せず、白血球の働きを低下させる、つまり免疫システムを回避することによって、感染を拡大させる可能性があるというのです。そしてもうひとつのE484Qは、免疫やワクチンが効きにくい、再感染しやすいなどの可能性もさらに指摘されているのです。
こうしたインド由来の変異ウイルスが日本には入ってきたら更なる感染拡大につながると危惧する声が多く聞かれますが、すでに日本国内では21件確認され…空港検疫で20件、見つかっているのです。
実は変異ウイルスの流行国・地域に指定されている29の国と地域に、インドはこれまで含まれていませんでした。しかし政府はきのうから、強化する国として対応を始めています。
空港検疫以外では、都内の80代女性の感染が確認されましたが、既に退院し、海外への渡航歴があったかは調査中です。この発見、偶然と言えなくもありません。 厚生労働省が行っているウイルスの変異などを調べるゲノム解析で判明したのですが、対象者は陽性者の中でも無作為で選んだ中の一人だといいます。
ゲノム解析は全感染者のうちおよそ6％にとどまっており、市中で感染が起きてる可能性があると指摘されています。
今、都内でも感染力が強いと言われ急増しているのが、イギリス型の変異ウイルス｢N501Y｣です。
国立感染症研究所の推計によると、緊急事態宣言が出されている大阪・京都・兵庫で8割を超え、今月始めには、関東の1都3県でも、8割ほどになると指摘。まさに全国的に急拡大しつつあるのです。
拡大する変異ウイルス。どう感染を抑え込むことができるか、政府の対応が問われています。