手作りフリップ|サンデーモーニング|TBSテレビ

「サンデーモーニング」毎週日曜日あさ8:00~9:54放送、出演:関口宏,橋谷能理子,張本勲,唐橋ユミ,水野真裕美,杉浦みずき ほか

手作りフリップ(2021年3月21日放送)

「コロナも悪化?黄砂が襲来」

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こちらは今年1月、中国・北京にある故宮を映した写真。奥の建物まで見えていますが、今月15日には、こうなりました。黄砂が景色を一変させたことが分かります。

このように黄砂で視界が悪くなったことで、北京の空港では400便以上が欠航。 隣国・モンゴルでは特大の砂嵐により遊牧民10人が亡くなりました。

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そもそも黄砂は、どのように発生するのでしょうか。中国内陸の砂漠地帯で春に雪解けが進み、そのころ発生しやすくなる低気圧による強風で砂粒が巻き上げられ、偏西風に乗ります。

今回の黄砂も、中国内陸部から発生したと思われるかも知れませんが、実は、中東のイランやサウジアラビアからスタートしているのです。

ルートを分析した、九州大学の竹村さんによると、中東の砂漠で砂粒を含んだ大気が、中国からモンゴルにまたがる「ゴビ砂漠」に到達。 そこでゴビ砂漠からの砂粒が加わって、より高濃度となった黄砂が、15日午前、北京で広がったといいます。

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その後、黄砂は海を渡り日本に到達、鳥取や福岡では、視界が悪くなりました。 この黄砂について、中国の中央気象台は、北京のほか12の地域に広がったと分析。 「この10年で最も強烈で範囲も広い」と伝えています。

これまで黄砂は単なる「季節的な気象現象」とされていましたが、1990年代からは、森林伐採や、行き過ぎた家畜の放牧など、「人為的な影響による環境問題」としての認識が高まっているのです。

日本にも影響を及ぼす黄砂ですが、実は東アジア地域の砂漠から舞い上がる砂粒の量は、地球全体の10分の1程しかありません。

世界で舞い上がる砂粒の7割以上占めるのが「アフリカのサハラ砂漠」からのものです。

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こちらは、サハラ砂漠と大西洋を映した衛星画像。
サハラ砂漠から大砂嵐で巻き上げられた砂粒が、このように大西洋を渡り、アメリカまで届くことがあります。

そのアメリカでは、大砂嵐と新型コロナの関連が懸念されています。 細かい砂の粒子が肺の粘膜機能を悪化させ、そこに新型コロナが加わることで、感染しやすくなったり重症化しやすくなったりする恐れがあるというのです。

ハーバード大学の研究チームは、大気汚染に長期間さらされた人が新型コロナに感染した場合、死亡リスクが8%以上高まると発表。 「汚染された大気を吸ってきた人が新型コロナにかかったら、火にガソリンを注ぐようなものだ」と警鐘も鳴らしています。

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一方、黄砂について、これまで日本では、全国の地方気象台で観測されてきましたが、去年2月、目視観測の自動化により、多くの観測項目とともに、黄砂の観測も廃止されました。

その結果、全国の中心都市11か所でしか、黄砂は観測されないことになりました。 健康への影響が懸念される中、その動向を掴むことはできるのでしょうか。

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