手作りフリップ|サンデーモーニング|TBSテレビ

「サンデーモーニング」毎週日曜日あさ8:00~9:54放送、出演:関口宏,橋谷能理子,張本勲,唐橋ユミ,水野真裕美,杉浦みずき ほか

手作りフリップ(2020年10月11日放送)

「ノーベル賞“ゲノム編集”とは」

手作りフリップ

ノーベル化学賞を受賞した、ジェニファー・ダウドナさんとエマニュエル・シャルパンティエさん。 2人が発明した「CRISPR-Cas9(クリスパー・キャス9)」は、「ゲノム編集」技術を飛躍的に進歩させました。

手作りフリップ

私たちの体の遺伝情報を持つDNAは「アデニンA」「グアニンG」「シトシンC」「チミンT」という4種類の塩基の、無数の組み合わせでできているのですが、その組み合わせを狙い通りに、早く正確に書き換えることを可能にしたのです。

実はこの発明は、日本人研究者のある発見がきっかけで生み出されました。
九州大学教授の石野良純さん。
1980年代に大腸菌の塩基配列を研究していた石野さんは、その中に29の同じ塩基の配列が、繰り返し現れることを発見します。

手作りフリップ

当時はなぜ「同じ配列」が現れるのか、その理由は分かりませんでしたが、のちにこの「同じ配列」は外から侵入したウイルスを攻撃する、免疫にかかわっていて、「はさみ」役の酵素で、そのウイルスのDNAを切断し、身を守っていることが分かったのです。 この仕組みを応用したのが「クリスパー・キャス9」です。

「クリスパー・キャス9」がDNAの鎖を切断する瞬間を捉えた映像があります。
矢印が示す細い線がDNA、そしてDNAにとりついた黄色い塊が「クリスパー・キャス9」です。そして次の瞬間、クリスパー・キャス9によって、DNAの鎖の狙った部分が切断されました。(提供:東京大学大学院 濡木研究室)
手作りフリップ
手作りフリップ

「クリスパー・キャス9」は狙ったDNAを切断して、その遺伝子の働きを止めたり、別の遺伝子を挿入したりすることができるといいます。

手作りフリップ

他の方法に比べ、時間やコストをかけず正確に「ゲノム編集」が行える「クリスパー・キャス9」は、様々な分野での活用が期待されています。

身の厚いタイ、栄養価の高い野菜、干ばつに強い穀物といった食べ物の品種改良や、がんなど様々な疾患の治療への研究も進んでいて、スウェーデン王立化学アカデミーは、「生命化学に“革命的な影響”を与えた」と評価しています。

手作りフリップ

しかし2年前、中国の研究者がクリスパー・キャス9を使ってエイズウイルスに感染しにくい双子の女児を誕生させたと発表し、世界中に衝撃が走りました。

人間の外見や能力を操作する「デザイナーベイビー」につながる懸念もあり、遺伝子を変えるという「神の領域」に、どこまで踏み込んでよいのかという、大きな課題も残されているのです。

手作りフリップ

»手作りフリップ 一覧

»HOME

Copyright© 1995-2024, Tokyo Broadcasting System Television, Inc. All Rights Reserved.