手作りフリップ|サンデーモーニング|TBSテレビ

「サンデーモーニング」毎週日曜日あさ8:00~9:54放送、出演:関口宏,橋谷能理子,張本勲,唐橋ユミ,水野真裕美,杉浦みずき ほか

手作りフリップ(2020年8月23日放送)

「“楽園”モーリシャスで重油流出」

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日本の貨物船「WAKASHIOワカシオ」の、1000トンにも及ぶ重油の流出事故。 改めて事故の経緯を説明します。

「ワカシオ」は中国から、シンガポール経由でブラジルに向かって進んでいました。 先月25日、モーリシャス沖で座礁したわけですが、実は通常の航行ルートより15キロ以上も、陸に近い航路を進んでいたことが分かりました。陸からわずか1.8キロの距離でした。

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モーリシャスはインド洋に浮かぶ火山島で、島の周りにはすぐに数千メートルにも達する深い海が広がっています。よほど島に接近しなければ座礁しないような場所で、「ワカシオ」はあり得ない航行ルートを進んでいたのです。

こちらがインド洋の島国、モーリシャス共和国の全景です。
面積は2,040平方キロメートルと東京都とほぼ同じ広さで、およそ127万人が生活しています。 衛星写真でも、島の周りを美しいサンゴ礁が取り囲んでいるのが分かります。

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総面積はおよそ300平方キロメートル。流出事故はそのサンゴ礁のすぐそばで起きたのです。 そこにはさらに絶滅危惧種のアオウミガメの生息地や、VTRにもあったマングローブ林がありました。

マングローブ林は熱帯や亜熱帯の河口、淡水と海水が交わる「汽水域」にだけできます。 潮の満ち引きの影響を受けて、様々な生物が生息することから、「海の命のゆりかご」と呼ばれています。生態系の要ともいえるその場所にも、大量の重油が流れ込んだのです。

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現地に派遣された日本の国際緊急救助隊は“手作業が中心になる”という見通しと共に、回復までに「10年から30年みないといけない」と述べています。

手作業による重油の除去といえば、日本人に忘れられない出来事がありました。 1997年に起きた、ロシア船籍のタンカー「ナホトカ号」の沈没事故です。

事故で流出した6000トンの重油は福井県を中心に広い地域に漂着しましたが、重油の除去に手作業であたったのが、延べおよそ28万人のボランティアでした。

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そして「100年かかる」といわれた海が再生できたのは、もう一つの大きな力が働いたためと言われています。海の持つ“自浄能力”です。 環境の中に存在するバクテリアなどが、有機物である重油をエサとして食べ、少しずつ分解していったのです。

とはいえ人間が起こした事故、自然の力に頼ってばかりはいられません。 日本を含め世界中の英知を結集し、モーリシャスの自然を取り戻さなければなりません。

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