手作りフリップ|サンデーモーニング|TBSテレビ

「サンデーモーニング」毎週日曜日あさ8:00~9:54放送、出演:関口宏,橋谷能理子,張本勲,唐橋ユミ,水野真裕美,杉浦みずき ほか

手作りフリップ(2020年8月2日放送)

「六ヶ所村・工場 “合格”したが…」

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原子力規制委員会の安全審査に合格した「使用済み核燃料の再処理工場」。
場所は青森県下北半島の六ヶ所村にあります。

後ほど詳しくご説明しますが、再処理工場は、国の「核燃料サイクル政策の要」とされています。

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工場内では全国の原発から受け入れる使用済み燃料を外側の金属ケースごと・・・バラバラに切断し、硝酸で溶かします。 その後、ウランとプルトニウムを精製。それらを混ぜ合わせた「ウラン・プルトニウム混合酸化物」を回収します。

これを利用して、燃料加工工場で出来上がるのが「MOX燃料」と呼び、その利用先の一つが、高速増殖炉です。

高速増殖炉は発電しながら、使った以上の核燃料を生み出す「夢の原子炉」とされてきましたが、国内唯一の高速増殖炉「もんじゅ」ではトラブルが相次いで発生。政府は4年前に廃炉を決めています。

高速増殖炉は技術的な課題の克服が難しく、アメリカ、イギリス、ドイツなどが開発を断念。 運転を始めていたフランスでは廃炉に追い込まれ、新型の高速増殖炉の開発の見通しも立っていません。

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そして「MOX燃料」のもう一つの利用先が通常の原発です。ここでMOX燃料を再利用する発電方法を「プルサーマル発電」といいますが、現在「プルサーマル発電」に対応しているのは、伊方原発3号機、高浜原発3号機と4号機、そして玄海原発3号機のあわせて4基。 これらの4基は、フランスで加工された「MOX燃料」を使っています。

実は海外に再処理を委託した、MOX燃料が送り返されることになっていて、たとえ再処理工場でプルトニウムを取り出して、MOX燃料を作ったとしても、すぐに使う必要はないのです。 高速増殖炉にも、通常の原発にも使う目途が立っていないことから、国の核燃料サイクルは実質的に、破綻しているのです。

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一方で、こんな問題も出てきています。
核燃料に含まれるプルトニウムは核兵器の材料にもなりますが、日本は国内外におよそ46トンのプルトニウムを保有しています。これは原子爆弾6千発に相当する量で、プルトニウムの大量保有は、核不拡散の面で国際社会から懸念を抱かれかねません。

また、使用済み核燃料の処理の際に生じる廃液には、極めて高濃度の放射性物質が含まれますが、処分場の選定は進んでおらず、課題は山積しています。 再処理工場の建設費は当初7600億円でしたが、現在4倍に・・・。

本格稼働をしたあとの運営費と、事業終了後の解体費を含めると、総事業費は13兆9400億円にのぼる見通しですが、その原資は私たちが支払う電気代です。

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国の原子力政策に対し、助言などを行う原子力委員会で、委員長代理を務めた鈴木氏は、「再処理工場の必要性は現時点では全くない。原子力をめぐる環境は大きく変化していて『核燃料サイクル政策』の見直しが急務だ」と指摘しています。

「国の核燃料サイクル政策」の在り方が改めて問われています。

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