手作りフリップ（2020年6月7日放送）
「新型コロナ、変わるプロ野球」
スポーツの本格再開に向け、摸索が続いています。
プロ野球の公式戦は19日に開幕しますが、セ・リーグはまず首都圏中心に開催し、後に西日本で集中開催する方針です。これは移動を最小限に抑え、感染リスクを減らす対策なんです。同様にパ・リーグも同じ対戦相手と6連戦するという対策を取りました。
ウイルス検査については、球団ごとに判断をしています。巨人の坂本選手らの感染が分かったのも、開幕前に巨人が希望者全員に抗体検査を行ったことがきっかけで、今後はPCR検査を定期的に行う方針を示しています。こうした検査体制は他の球団にも広がっていきそうです。
具体的な感染対策はどうするのでしょうか。先月22日、プロ野球とサッカー・Jリーグの専門家会議が提言を発表しました。
それによりますと、同じポジションの選手は可能な限り行動をともにしないよう推奨されています。これは例えば、投手陣の中で感染者が出れば、一緒に行動していた投手も濃厚接触者となり、チーム全体への影響が大きくなってしまうからなんですね。
プロ野球は開幕後も当面は無観客で行われますが、7月10日以降は、段階的に観客を入れた試合ができるとされています。それでも観戦の仕方は大きく変わりそうです。
専門家会議の提言によりますと、たとえば、球場を盛り上げる風物詩のジェット風船…これができなくなりそうです。
というのも、飛び交う際、飛沫感染のリスクが大きいと評価されたのです。また、ファインプレーが出ると、自然とやりたくなるのが観客同士のハイタッチ…これもNGとされました。接触感染のリスクが高いのが理由です。
ほかにも、一体感が楽しい、立ったり座ったりの集団で動く応援や、メガホンを打ち鳴らしながらの声援もできなくなりそうです。
そして、球場でビールを飲んだり、食べ物を食べたりすることを全面的にやめることも検討すべきとされています。これは観客にマスク着用が求められていて、飲食はマスクを外すことになるためだからです。
さらに、提言では、指定席の観客は半券の保管を、自由席の観客は自分の席のゾーンをスマホで撮っておくよう呼びかけられています。観客から感染者が報告された場合、自分がどの席に座っていたか、確認できるようにするためで、その感染者の席を球団のウェブサイトに公表し、周辺の観客を特定し、注意喚起を行う、とされています。
定番の応援がやりにくい、ご時世ですが、阪神では、ジェット風船の絵が描かれたタオルを作り、風船の代わりするという新たな演出を生み出そうとしています。
こうしたコロナ時代の新たな応援スタイルはどこまで定着するのでしょうか。