手作りフリップ|サンデーモーニング|TBSテレビ

「サンデーモーニング」毎週日曜日あさ8:00~9:54放送、出演:関口宏,橋谷能理子,張本勲,唐橋ユミ,水野真裕美,杉浦みずき ほか

手作りフリップ(2020年5月24日放送)

「米中が対立…WHOとは」

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アメリカと中国、その対立の舞台となっているのがWHO=世界保健機関です。

「すべての人々が可能な最高の健康水準に到達すること」を目的に1948年に設立された国連の専門機関です。

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WHOの旗には、国連のマークの上に、蛇の巻き付いた杖があしらわれています。

この杖は、ギリシャ神話に登場する医療の神「アスクレピオス」が携えていたもので、古代ローマ時代、ペストが流行した際、人々がこの神に祈りをささげたところ、蛇の姿で現れ、疫病を鎮めたという伝説が残されています。WHOの活動の1つである「感染症などの病気の撲滅」など、医療をつかさどるシンボルとして使われているのです。

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WHOの功績として、最も有名なものが「天然痘の撲滅」です。

急激な発熱と発疹が特徴で、強い感染力、高い致死率で知られる感染症で、根絶計画が発表された1958年当時、世界で400万人の死者が出ていたと言われています。

WHOが患者周辺にワクチン接種を徹底する戦略で封じ込めに成功したことで、人類で唯一、撲滅できた感染症となったのです。こうした世界規模の人々の健康の危機に立ち向かってきたWHOですが、今、その存在意義が問われる事態となっています。

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背景には、国連機関と国際情勢との密接な関わりがあります。

これまで世界最大の経済力をもつアメリカが、国連機関でも大きな影響力をもってきました。 しかし、トランプ大統領の自国第一主義により、国連機関からの離脱が相次ぎ、情勢に変化が。中国が、国連機関での影響力を伸ばしてきているのです。

国連機関のトップは、選挙で選ばれます。選挙の方法は、各機関で違いはありますが、原則、国の規模に関係なく、「1国1票」の投票権が与えられていて、中国は、アフリカなどの発展途上国に巨額の投資を行い、親・中国グループを作り、票を集めることで、15ある国連機関の内、現在4つの組織で中国出身者がトップを務めています。

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これまでWHOのトップである事務局長は、34か国で作られる執行理事会の選挙で決められてきました。この方法が、決定プロセスが不透明だとの批判を受けたため、初めて総会選挙で選ぶことに。その結果、エチオピア出身のテドロス事務局長がアフリカ人で初のWHOトップについたのです。

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しかし、エチオピアが中国から多額の投資を受けていることから、WHOの中国寄りの対応に繋がっているのではないかという指摘もされていて、本来中立の立場であるはずの国連機関が中国の権益拡大に利用されているのではないか、という声も上がっています。

本来、国際協力の舞台であるはずのWHOで、アメリカと中国、両国の思惑が絡んだ対立が続く中、新型コロナの感染を抑え込むことができるのでしょうか?

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