手作りフリップ（2020年5月10日放送）
「韓国プロ野球が開幕…その背景は」
当初の予定から38日遅れで、開幕にこぎ着けた韓国プロ野球(韓国野球委員会)ですが、10チームによる1リーグ制です。
開幕戦の始球式では…直接ボールは投げず、子供が透明のボールに入り、キャッチャーに近づきました。子供と選手の接触はありませんでした。
無人の観客席には、なぜか大根にマスク姿の絵。韓国語で大根は｢む｣、無観客の｢無｣にかけて描かれたと言います。試合は米国でも放送され、ドジャースの主砲ベッツ選手はツイッターで「お帰り韓国プロ野球、みんな見ているよ」と喜びのメッセージを送っています。
なぜ韓国ではプロ野球が開幕できたのか？
2月末には一日の感染者数が900人を超え、この週末、集団感染も報じられていますが、減少傾向は明らかで、開幕を迎えることができました。
背景にあるのは、徹底したPCR検査や携帯電話のアプリによる感染者追跡などの防疫対策で、感染拡大を抑え込んだことがあげられます。
こうした背景の元、韓国プロ野球は感染を防ぐための44ページにわたる｢対策マニュアル｣を作成。
徹底した感染対策を行います。主な中身ですが、選手は、毎朝起床後と球場へ出発する前に検温し、リーグ独自のスマートフォンアプリに入力する事が義務づけられます。
さらに選手と外部との接触にも神経をとがらせており、マニュアルには、ビジターチームが球場に到着後、ロッカールームに入るまでの動線を、全球場分、細かく明記。さらに指定エリアとグラウンド以外に入らないよう指示し、外部との接触を厳しく遮断します。
試合中もVTRで紹介した自粛や禁止行為、マスク着用を義務づけています。これまで選手やコーチ陣での感染者はゼロですが、感染者が出た場合はリーグ中断を検討するなど、対処法も盛り込んでいます。 試合は11月末まで延長して、予定通り144試合、行う方針です。
ムン大統領は「世界が韓国プロ野球の開幕を通じて、どう防疫と日常生活を共存させ、スポーツを楽しむことができるのか、見守りながら学ぶことになる」とコメントしました。
注目される日本のプロ野球ですが、緊急事態宣言延長で、開幕がいつになるのか未だ見えていません。明日12球団の代表者会議で日程など協議されますが、今できることを積み重ねながら、球音が響く日を待ちたいです。