手作りフリップ（2020年2月9日放送）
「新型コロナウイルス、特効薬は？」
中国政府が去年12月31日に原因不明の肺炎患者を公表して1か月余り。
一体何が分かってきたのか？ 中国の衛生当局は、｢感染後にできる抗体には長期間持続しないものもあり、治癒した患者にも再感染のリスクがある｣と発表、警戒を呼びかけました。
一般的にウイルスに感染すると体内に免疫ができます。ただその持続期間は、風邪やインフルエンザでは数か月程度で、新型肺炎も繰り返し感染する可能性があると指摘、警戒が必要といいます。
治療薬がない新型コロナウイルスは対処療法しかありません。
そんな中、中国の研究者らが、新型コロナウイルスには『SARSウイルスと共通点がある』と発表しました。
新型コロナウイルスの遺伝子の塩基配列が、SARSのウイルスとおよそ8割で一致したと指摘。つまりSARSのために開発中の治療薬やワクチンが、新型コロナウイルスにも使える可能性があるといいます。
さらに『世界の医療現場』からは『今までにあった薬が効いた』という報告が出てきました。
アメリカでは、感染した男性に対し、入院7日目に「エボラ出血熱の治療薬」を投与したところ、発熱が治まるなど改善したといいます。
またタイの保健省は2日、感染した中国人女性に「抗エイズウイルス薬」と「インフルエンザ治療薬」を併用して投与したところ症状が改善。48時間以内には陰性になったと発表しました。
実は日本国内で確認された患者1人にも本人の了解を得たうえで「抗エイズウイルス薬」が投与され、症状に改善傾向が見られたといいます。効果を慎重に見る必要がありますが、こうした試みも始まっています。
こんなデータもあります。日本のインフルエンザ患者数ですが、これは去年、過去最多を更新したグラフです。ところが今年は激減。およそ3分の1にまで減っています。新型コロナウイルス対策として、こまめな手洗いやアルコール消毒などが、インフルエンザウイルスの感染も防いでいる可能性があると見られています。
一方アメリカではこの冬、インフルエンザが流行していて、死者は推定1万2000人と言われています。新型コロナウイルスと比べれば、その危険性が過小評価されがちなインフルエンザウイルスですが、過去10年で最悪の規模になる可能性があるといいます。
では新型コロナウイルスの感染拡大のピークはいつなのか？
香港大学は｢パンデミック＝大流行は近い｣と予測し、北京など5大都市のピークは4月から5月上旬と見込んでいて、なかでも武漢に一番近く、人の交流が多い重慶では、最悪の場合15万人以上が感染すると予測しています。
WHOは「依然として激しい流行の最中」と感染のピークはまだ迎えていないとの認識示しています。