手作りフリップ(12月22日放送)
「聖火リレーの歴史は?」
東京オリンピック開幕に先立って行われる「聖火リレー」。
そのはじまりは、1936年、ドイツで行われた、第11回ベルリン大会です。
ヒトラー政権が、ナチスの権威を高めるため始めたものだったんですが、参考にしたとされるのが、紀元前9世紀ごろのギリシャで行われていた古代オリンピックの「たいまつ競争」。 これをヒントに、聖火リレーが発案されたといいます。
ベルリン大会ではこのように、今も変わらぬスタート地点、このギリシャから聖火リレーをスタート。3000人のランナーが10日余りかけてドイツのベルリンまで聖火をリレーしました。
実は、ドイツはその3年後このコースを逆に辿りヨーロッパの国々に攻め入り、第二次世界大戦が拡大しました。 いわば、聖火リレーが戦争に利用されたかたちで、聖火リレーには悲しい歴史もあるんですね。
さて。聖火はどのようにともされるのか。そこにも伝統があります。
炎はまず、古代オリンピック発祥の地、ギリシャ・オリンピア市にあるヘラ神殿跡で灯されます。
この時、用いられるのが「太陽の光」です。古代の衣装に身を包んだ巫女が、凹面鏡を使って太陽の光を一点に集めて、たいまつに火を灯すのです。
この儀式は毎回、今回の東京大会でも行われます。
トーチは火が消えないよう工夫されていますが、ソチオリンピックの際は消えてしまったことも。
そういう時のために、予備のトーチが準備されています。
ギリシャを出発した聖火は、ランナーたちの手によって開催地まで繋がれていきます。そのリレーの仕方にも、様々な方法が取られています。
2000年のシドニー大会の映像を見ると、なんと、聖火が海の中を進んでいます。 水中でも火が消えないよう、特殊なトーチを使っているのです。 この他にも、2008年の北京大会では世界最高峰のエベレストの頂上で、2014年のソチ大会では国際宇宙ステーションでリレーが行われるなど、大会ごとに科学の進歩を感じられます。
今回の東京オリンピックの聖火リレーは、福島県をスタートし、全国各地をめぐります。 聖火は、ばんえい競馬、蒸気機関車、日本泳法、遣唐使船、スキーなど各地の特色を生かした方法で繋がれ、最後は国立競技場でゴール。聖火台に火を灯します。
聖火が繋がれる様子も、楽しみですね!