手作りフリップ|サンデーモーニング|TBSテレビ

「サンデーモーニング」毎週日曜日あさ8:00~9:54放送、出演:関口宏,橋谷能理子,張本勲,唐橋ユミ,水野真裕美,伊藤友里ほか

手作りフリップ(11月10日放送)

「壁崩壊から30年…ドイツは」

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東西に引き裂かれたドイツ、ベルリンもまた30年前まで壁で分断されていました。

社会主義の独裁政権東ドイツから、自由主義の西ドイツへ国民が逃げるのを防ぐため、1961年に建設が始まり、高さ3.6メートルのコンクリート製、長さは155キロに及びました。

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東ドイツは検問所を設置するなど、厳重な監視下に置き、越えようとして兵士に撃たれるなど、少なくとも140人が亡くなっています。 また国境全体では、およそ1000人が東ドイツからの脱出に失敗し死亡しています。

その後、社会主義のソ連が崩壊に向かう中で、ポーランドやハンガリーが相次いで民主化し、東ドイツでもトップのホーネッカー国家評議会議長が失脚。 1989年11月9日、自由を求める東ドイツ国民が壁に押し寄せ、28年にわたりベルリンを分断してきた壁が崩壊したのです。

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ところが今、「新たな壁を作るべきだ」という声がドイツ国内から上がっています。 なぜなのでしょうか。

背景には90年の東西ドイツの統一以降も続く、経済格差があります。
こちらの色の濃い方が、失業率が高いことを示しているのですが、東側の方が圧倒的に高いことが分かります。

また世帯収入も東の方が2割も低いのです。
今年9月にドイツ政府が発表した調査では旧東ドイツ地域の住民のうち、実に57%が「自分は二級市民」と答えるなど格差は広がっています。 そうした不満の受け皿となっているのが、移民排斥を掲げる極右政党の「ドイツのための選択肢(AfD)」です。

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これは、今年の欧州議会選挙での「ドイツのための選択肢」の得票率を示したものですが、旧東ドイツで勢力を伸ばしていることが見て取れます。

極右勢力の支持者らが作るべきだと主張している新たな「壁」は、移民排斥のための国境の壁なのです。

ドイツの周辺でも、排外的な主張を訴える、自由党が躍進しているオーストリアや、自国第一主義を掲げる「フィデス」が連立政権を組むハンガリーでは、中東や北アフリカからの移民や難民の流入を防ぐため、国境にフェンスを設置。

こうした「壁の設置」は東欧諸国に広がっていて、ベルリンの壁崩壊から30年、ヨーロッパは、今、新たな「壁」に直面しています。

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