手作りフリップ（1月27日放送）
「“GAFA”に規制の動き？」
今回、グーグルは、EUの「一般データ保護規則」に違反したとして、制裁金が科せられました。
グーグルは、個人情報を集めるにあたって、利用者にどんな情報をどの程度集めるか、明確に伝えていなかったことなどが指摘されたのです。
この規則は、個人のプライバシーを守る目的でEUに導入、去年5月に施行されました。 IT企業大手への適用は初めてのことで、背景に、巨大IT企業への懸念の高まりがあります。
その中でも、代表的なものがGAFAと呼ばれる巨大企業です。
「G」は、検索サービスの最大手で、人工知能や自動運転の研究開発にも力を入れているグーグル。
「A」は、iPhoneでスマートフォン市場を席巻しているアップル。
「F」は、月間利用者23億人に上るSNSのフェイスブック。
「A」は、ネット通販の最大手、アマゾン、それぞれの頭文字をとって「GAFA」といいます。
ネット上のサービスの基盤、英語でいうプラットフォームを提供しています。
GAFAは、世界中の人々に便利なサービスを提供する換わりに、検索内容や発信情報などから膨大な個人情報＝ビッグデータを集め、新たな製品やサービスを次々に生み出してきました。
その結果、急成長を遂げ、それぞれの市場で圧倒的シェアを誇り、巨額の富を得ています。
時価総額を見ると、およそ82兆円、79兆円、46兆円、89兆円。
日本の国家予算がおよそ98兆円ですから、一企業とは思えない規模ということがわかります。
ビッグデータを独占するような形で、さらに新興企業も次々に買収し、巨大企業に成長したGAFA。 消費者などに便利なサービスを提供している一方で、様々な懸念も指摘されています。
日本の公正取引委員会は、去年12月の報告書で、GAFAに代表される巨大IT企業が、その独占的な性格から「取引実態が不透明」と指摘。 また、「不当な手段で個人情報などの収集が行われていないか」、「取引で中小の事業者が不公平な扱いを受けていないか」などの指摘もされています。
水曜日には、公正取引委員会が、公正で自由な競争が阻害されていないか調査を始めました。
さらに、個人情報を巡っては、去年4月、フェイスブックから、最大8700万人分の情報が不正流出する事態が起こりました。
こうした中、EUは様々な制度を駆使して、GAFAに対する規制を強化。 日本では21日、総務省の有識者会議が規制強化に向けた論点案をまとめました。
アメリカでも、議会や大手メディアが「新規立法による規制が必要だ」と批判していて、今年はGAFAへの規制の枠が強まる可能性もあります。