手作りフリップ|サンデーモーニング|TBSテレビ

「サンデーモーニング」毎週日曜日あさ8:00~9:54放送、出演:関口宏,橋谷能理子,岸井成格,張本勲,唐橋ユミ,水野真裕美,伊藤友里ほか

手作りフリップ(5月13日放送)

「米大使館をエルサレムに」

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アメリカのトランプ大統領は去年12月、エルサレムを「イスラエルの首都」と認定。国際社会に波紋が広がりました。イスラエル・テルアビブにあるアメリカの大使館は、一部の業務を14日にエルサレムに移します。

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このエルサレムの地図を拡大して見てみると、青で塗られたところが“イスラエル”、赤は“パレスチナのヨルダン川西岸地区”です。 その双方の間にエルサレムがあり、アメリカの大使館が移転されるのは、この部分なんです。

ここには、もともとアメリカの総領事館があり、大使館はこれを改築する形で設置されます。 これは一時的な措置とされていますが、恒久的な大使館も、このすぐそばに設置されるという見方もあります。

アメリカ政府は、周囲に高さ3.2mの巨大な壁を建設するなどして、厳重な警備を敷きます。

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そもそも、今回の大使館が置かれる場所は、西エルサレムと東エルサレムの間にある「ノーマンズ・ランド」、つまり、どこの国のものでもないところにかかっています。 そして、この場所は、「グリーンライン」と呼ばれる、イスラエルとパレスチナの事実上の国境とされてきた、その真上にも位置しています。

イスラエルは、これを国境とは認めていませんが、パレスチナ自治政府は、イスラエルとの和平交渉で、グリーンラインを将来の国境とする立場を取ってきました。 つまり、このグリーンラインは、イスラエルとパレスチナが共存する、いわゆる「2国家共存」という考え方の象徴だったわけですが、トランプ政権が今回、このグリーンラインの上に、一時的にせよアメリカの大使館を置くことは、この「2国家共存」という考え方と矛盾するとも言えます。

これまで和平交渉で仲裁役を担ってきたアメリカ。
トランプ政権の今回の措置は、イスラエル側の肩を一方的に持つことになり、中立性が疑問視されています。

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それではなぜ、トランプ政権は、強引ともいえる大使館移転に踏み切るのでしょうか。 そこには今年11月の中間選挙をめぐる思惑がある、とされます。 アメリカは国民の4分の1が「福音(ふくいん)派」と呼ばれる、キリスト教の中でも、親イスラエルとされる宗派を信仰しています。

トランプ大統領がイスラエル寄りの姿勢を鮮明にしているのは、アメリカ最大の宗教勢力「福音派」の支持を固めて、中間選挙を有利に進めたいものとみられています。 実際、おととしの大統領選挙では、この「福音派」からの支持率は81%に上り、勝利の要因となりました。

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今回の大使館の移転について、パレスチナのアッバス議長は、「トランプ大統領であろうと誰であろうと、大使館の移転を我々パレスチナ人は許さない」と改めて非難。 エルサレムを舞台に、火種がくすぶっています。

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