手作りフリップ|サンデーモーニング|TBSテレビ

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手作りフリップ(12月3日放送)

「強権政治のサウジ、王子ら拘束」

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サウジアラビアの国名は、「サウード家が支配するアラビアの国」を意味し、「メッカ・メディナ」と二大聖地があるイスラム世界の中心的存在です。

サウード家の王族の数なんですが、1万5000人とも言われていますが…、そもそもこの事件…先月上旬、汚職で利益を得たなどの理由で、王子や現職閣僚らおよそ200人が“一斉に拘束”されました。主導したのが、サルマン国王の息子で次期国王の座を約束されたムハンマド皇太子。王族内の「政敵の排除による、権力の基盤固め」と見られています。

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その王族ですが、1932年の 建国時の初代国王はイブン・サウード氏。36人の王子が生まれ、現在のサルマン国王は25番目の息子です。そしてこの第2世代からもまた250人以上の王子が誕生し、第3世代にも王子が生まれていますから、現在の王子の数は1000人以上と言われています。拘束された11人の王子のうち分かっているのはこの4人。中でも5日前に釈放されたムトイブ王子の動向が明らかにされました。

アブドラ前国王の息子で国家警備相だった人物ですが、汚職を認め1100億円以上を払った上での釈放でした。ムハンマド皇太子は、権力基盤を固めるための拘束ではなく、「汚職一掃という捜査の正当性」を強調したい狙いがあるものとみられています。

こうした背景にあるのが、皇太子が進める「石油依存からの脱却を目指す経済改革」です。汚職を無くした上で、改革されたサウジアラビアをアピールしたいと見られています。

一方、国交を断絶している東のイランに対しムハンマド皇太子が、イランのハメネイ最高指導者を「中東の新しいヒットラー」と批判するなど、その攻撃的な姿勢が中東各地にも大きく影響しています。

北のシリアでは、アサド政権を支援するイランと対立。南のイエメンとはイランとつながりのあるシーア派の反乱軍と対立。またイランと経済的結びつきが強いカタールとは6月に国交を断絶。そこにイランを敵視するアメリカ・トランプ大統領の動きも注目されます。

アメリカのシェールオイルの産出が影を落としていますが、サウジアラビアにとってアメリカは、武器輸入や石油輸出で未だに親密な関係にあり、イラン核開発の脅威の受け止め方や、イランを非難していることでも一致しています。イランとの覇権争いを続けるサウジアラビアの動向は、中東情勢に大きな影響を与えることになります。

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