手作りフリップ|サンデーモーニング|TBSテレビ

「サンデーモーニング」毎週日曜日あさ8:00~9:54放送、出演:関口宏,橋谷能理子,岸井成格,張本勲,唐橋ユミ,水野真裕美,伊藤友里ほか

手作りフリップ(10月22日放送)

「宇宙の謎を解くカギ?『重力波』」

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およそ100年前、アインシュタインが一般相対性理論の中で、存在を予言した「重力波」。質量のある物体が動くと、その物体の持つ重力の影響で、時間や空間がゆがみます。この時空のゆがみが、さざ波のように広がる現象、これが重力波です。重力波による時空のゆがみは、極めて小さいため、観測が難しく、「アインシュタインの最後の宿題」と呼ばれてきましたが…。

おととし、この重力波の観測に、アメリカの観測施設「LIGO(ライゴ)」が、世界で初めて成功しました!この偉業は、今年のノーベル物理学賞にも選ばれています。

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「LIGO」は、これまでに4回、重力波の観測に成功してきましたが、いずれも、ブラックホール同士の合体で生じた重力波でした。ブラックホールは光さえ飲み込むので、目に見える形での、発生源の観測には至りませんでした。

しかし、5度目の観測となった、今回の重力波は、「中性子星」と呼ばれる、非常に密度の高い星同士の合体で生じたものでした。ちなみに、どれほど密度が高いのかというと、太陽をぎゅーっと縮めて、山手線内に押し込めたもの、と同じくらいです。中心の密度は、角砂糖一つほどの大きさで、10億トンもの重さになります。中性子星の合体では、重力波だけでなく、赤外線や光、紫外線、エックス線、ガンマ線なども放出されるため、世界中の観測所でも、この現象を捉えることができたんです。

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今回の観測方法、非常に画期的なものでした。中性子星合体のような偶発的な天文イベントは、偶然観測出来ることはあっても、中々捉えることが難しいんです。

しかし今回は、まずアメリカとイタリアにある観測施設が、重力波をキャッチ。その情報を、世界中の観測チームに伝えました。これを受けて、こちらの日本のすばる望遠鏡など、世界70カ所以上の観測施設も、重力波が放出された方角に向けて、観測を開始。次々と観測に成功しました。重力波という一報があったからこそ、そのほかの様々なデータも手に入れることが出来たんですね。

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そして、今回の観測によって、謎が解明されるのではないかと期待されているのが、こちら。「LIGO」の代表が持っているのは、金の時計です。金やプラチナ、レアアースなど、鉄よりも重い元素は、それがどうやって生まれたのか、未だ解明されていません。

これまでは、太陽より重い、光る星が最後に起こす爆発、「超新星爆発」で出来るのではと考えられていましたが、今回の観測では、中性子星の合体によって出来るのではないか、という説を裏付けるようなデータが得られたといいます。

重力波の観測と、従来の観測方法を組み合わせることで、宇宙の謎に迫る、新たな天文学の扉が開けるのではと、期待が寄せられています。

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