手作りフリップ|サンデーモーニング|TBSテレビ

「サンデーモーニング」毎週日曜日あさ8:00~9:54放送、出演:関口宏,橋谷能理子,岸井成格,張本勲,唐橋ユミ,水野真裕美,伊藤友里ほか

手作りフリップ(3月5日放送)

「シリアの民間防衛隊“ホワイト・ヘルメット”」

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まずはこちらの写真ですが、頭に大きな傷を負った5歳の男の子、オムラン・ダクニシュちゃん。これは去年8月、シリア北部のアレッポの空爆で破壊された建物から救出された際のものです。

この男の子を助け出したのが、「シリア民間防衛隊」通称『ホワイト・ヘルメット』と呼ばれる救助隊です。

ホワイト・ヘルメットはシリア内戦勃発から2年後の2013年に結成され、隊員はおよそ2900人。かつて教師や建設作業員だった、ごく普通のシリアの市民たちがボランティアで救助活動をしています。ホワイト・ヘルメットはこれまでに8万2000人以上の市民の命を救ったといいます。隊員は隣国のトルコなどで訓練を行い、負傷者の救助や消防の技術を身につけるといいます。

比較的値段が安い白いヘルメットを着用していたため「ホワイト・ヘルメット」の通称が定着。去年ノーベル平和賞の候補にもなりました。

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命の危険も顧みず、市民の救助を続けるホワイト・ヘルメットの仕事は「世界で最も危険な仕事」と言われています。

その訳は、シリアでは現在、大きな容器に爆弾や金属の塊を詰め込み殺傷力を高めた「たる爆弾」や1つの爆弾から多数の小型爆弾が飛び散り、広範囲に被害を与える「クラスター爆弾」などが日常的に使われています。

アレッポ東部では、多いときは空爆が2週間で2000回、砲撃が4000回以上にも及んだといいます。ホワイト・ヘルメットはこうした爆撃があると、すぐに現場に駆けつけますが、そのホワイト・ヘルメットに対して、爆撃機は再度攻撃をしかけてくるのです。これは、「ダブルアタック」と呼ばれ、活動中に亡くなった隊員は130人以上に上ります。

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現在のシリアは、「アサド政権」と「反政府勢力」そしてイスラム過激派組織「イスラム国」が戦っていますが、ホワイト・ヘルメットが活動しているのは「反政府勢力」の地域に限定されています。

ホワイト・ヘルメットは、その理由について、「アサド政権側の支配地域での活動が許可されていないから」としています。しかし、その一方でホワイト・ヘルメットは「反政府勢力」を支援する欧米諸国から資金援助を受けていて、「反政府勢力寄り」ではないかという声もあります。

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シリア内戦を巡っては、それまで反政府勢力が支配していた主要都市・アレッポを去年末、アサド政権軍が奪還しました。また、これまで反政府勢力を支援してきたアメリカですが、トランプ大統領は「イスラム国」の掃討を優先し、アサド政権の存続を容認する姿勢を示すなど、アサド政権側に有利な状況になっています。

激化する内戦の中、ホワイト・ヘルメットは人命救助を続けていますが、シリア内戦ではこれまでに30万人以上が死亡しています。

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